▼ビジネススクールの実際
竹村:MBAのビジネススクールではどんな苦労がありましたか?
大塚:まずは、授業そのものが大変なことでした。成績の50%はクラスでの発言で決まりますから、最初は何か良いことを言わなきゃと、あせって喋れないことがしばしばでした。
けど、ある時、気がついたのです。いつも必ず、授業中に、1度か2度、とても、議論を発展させ、内容の理解を全員が深められるような、深く腑に落ちる質問、たとえば、誰もが知りたいと思っていることをずばり聞いてくれて、授業が活性化するような質問の存在に。そこで、そういう質問をした人にどうやったら、そんなに切れのある質問ができるのか、思い切って聞いてみたところ、彼が言うには、「いや、わからないことをただ聞いているだけだよ」っていう答えが帰ってきたんですね。拍子抜けというか、目から鱗というか、(笑)この日から、構えて、黙っていた自分が授業に積極的に関わる自分にガラリと変わりました。
▼授業ではまず喋ることが留学では大事!
日本人はとかく、こんなこと聞いたらどう思われるか、笑われるんじゃないかとか、とやかく考えがちなんですが、「分からないことを、分からないと言う」、これも立派な自己表現だということに、気がついたんです。特に、分からない単語・用語の質問が有効であることに気がついてからは、議論に楽しく参加できるようになりましたね。
それともう一つ学んだことは、ケース・スタディで、様々なケースを議論していくわけですが、すべての事例(ケース)が、会社ではなく、必ず「人」から始まることも新鮮な驚きでした。
そして、その「人」の問題を解決するために、PlanAとBのどちらが有効かをクラス全員で、議論(ディベート)していくわけです。
▼Debateでは冷静に聞くことが大切!
この時、発見したのは、ケース・スタディの議論でも、ビジネスでのネゴシエーションでも、人と人とのコミュニケーションでうまくいかなくなる時は、常に、自分が守り(Defensive)に入っているときだということです。守りに入ったとたん、相手の言っている話が、聞けなくなるということです。ですから、常に、自分の考えをしっかり持つだけでなく、論理的に、公平に相手の考えをしっかり聞くことの大切さも学びました。
竹村:MBA留学をして、大塚さんが、得た最大の成果は何だと思われますか?
▼MBA留学で掴んだもの
今から思えば、勉強したこと自体よりも、むしろそこで得た人脈が何ものにも代え難い財産となっています。また、限界まで勉強することにより、自分の向き、不向きが明確になり、自分にはこれができる、できないという、限界もはっきり分かりました。ビジネス・スクールでつくった人脈は、今では世界中に広がっています。いざという時、知恵を貸してくれる友人を世界各地に持てたということが、MBAで得た最大の成果ではないかと思います。
それと、日本を世界から、見るとてもよい機会でもありました。
ちょうど、ITのインチキ・バブルが弾けた時期でもあり、9.11の事件とも渡米時期が重なりました。この時、アメリカの良い面も悪い面も、しっかりと見れたことも幸いでした。
9.11では、特に友人と議論に当然なりましたが、この時の発言を聞いていて、日本人のものの見方の広さを再認識する機会にもなりました。
それで、ビジネスを起業するなら、やはり日本でと思うようになりました。
有難うございました!
大塚社長とのインタビューいかがでしたか?
MBA留学に際しても、やはり高いレベルの英語力は必要であり、文法の大切さを強調しておられたのが印象的でした。また、英語以前の問題としての日本人のAttitudeも大変参考になるお話でした。臆せず自分の考えを英語で主張できるようになりたいものですね。
次回は、MBAで出会ったビジネス・モデルを起業に結びつけるまでと、電話を使ってビジネス英話をブラッシュUPする方法を大塚社長に伺います!第2回インタビューへ⇒
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