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閑さや岩にしみ入蝉の声 (「奥の細道」 松尾芭蕉) |
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夏草や兵どもが夢の跡 (「奥の細道」 松尾芭蕉) |
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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。
(「雪国」 川端康成) |
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祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
(「平家物語」) |
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"The sound of Gion Shoja bells echoes the impermanence of all things; the color of sala flowers reveals the truth that the prosperous must decline. The proud do not endure, they are like a dream on a spring night;."
(The tale of the Heike, Stanford University Press, Stanford, California, 1988.
tr. by Helen Craig McCullough)
原文の香りを残すのはやはりなかなか難しいですね。「諸行無常」も"impermanence of all things"となり、やや味気ない感じに。しかしこれはどうしようもないことでしょう。日本語特有の美しさをもった文章を、別の言語に訳す場合の限界が、このあたりになると見えてきているようです。
参考英単語
impermanence 永久でないこと、はかなさ(permanenceの反対語)
reveal 明らかにする
prosperous 繁栄している(theをつけて人を表す)
decline 衰退する
proud 尊大な、自慢げな(theをつけて人を表す)
endure 持続する、持ちこたえる |
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