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講習もスタート!更新制でどうなる教員免許(2ページ目)

2007年6月20日に新しい「教育職員免許法」が成立、いよいよ来年2009年4月より導入されることが決まっているのが「教員免許更新制」です。いったいどんな制度なのか、FAQ形式で解説します。

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

「教員免許更新制」FAQ

2009年度から導入される「教員免許更新制」。いったいどんな制度なのでしょうか?
「新しい教員免許、有効期間はどのくらい?」「昔取ったきりの教員免許、どうなっちゃうの?」そんな疑問にお応えします。
なお、このFAQは文部科学省:<解説>教員免許更新制のしくみを参考に構成したものです。

どうして教員免許が更新制になるの?

文科省によれば、「その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指す」ことがその目的。

あくまでも、「不適格教員を排除することを目的としたものではない」ことが強調されているこの制度ですが、その仕組み上、実際には、様々なパワーハラスメントが起こるリスクも指摘されています。
また、教員の継続教育は教員のスキルアップ、レベルアップにもつながるものの、その間、現場の人材をどのように補充するのか、などの課題も挙げられています。

教員免許の有効期間って何年になるの?

誤解されやすいのは、免許に有効期間が設けられるのは、2009年4月1日の更新制導入後に授与される免許状(「新免許状」)からだということ。
この場合、新免許状の有効期間は、所用資格(免許状の授与に必要な学位と単位を満たした状態)を得た後、10年後の年度末までとなります。免許の更新には、後述する「更新講習」を受講しなければなりません。

一方、2009年3月31日以前に授与された免許状(「旧免許状」)の場合は、これまで同様有効期間の定めはありません。
ただし、次の項で説明する「更新講習」の受講対象者で、修了確認期限までに更新講習の修了確認を受けなかった場合には、免許状はその効力を失います。

「旧免許状」を持っていれば、全員「更新講習」を受けるの?

「子更新講習」とは、「旧免許状」保持者に義務付けられるもので、免許状の効力を保つためには、決められた期間内に30時間以上の講習を受けなければなりません。

「更新講習」を受けるには、受講対象者であることを証明する必要があります。
受講対象者は、大きく分けて「現職教員」と「今後教員になる可能性が高い者」(内定者や過去に教員としての勤務経験がある者など)の二種類です。
したがって、「旧免許状」は持っているけれど過去も、現在も教員として勤務していないというケースでは、受講対象者にはなりません。

受講対象者が「更新講習」を受けないとどうなるの?

期限までに「更新講習修了確認」を受けない場合、教員免許はその効力を失うことになります。
しかも、失効と同時に速やかにその免許状を免許管理者に返納しなければならず、返納しなければ10万円以下の罰金が課せられます。

「新免許状」保持者や、更新講習の受講対象者を除く「旧免許状」保持者同様、免許状失効後、更新講習を受講・修了することによって新たに有効な新免許状を再授与されることは可能です。

免許状が失効したら、もう一度大学の教職課程から?

免許状が失効した場合(修了確認期限までに更新講習を修了していない場合)でも、免許状を取得した際に、授与の基礎となった教職課程の単位まで無効にはなりません。
したがって、改めて大学で教職課程を受講し単位を取得する必要はなく、更新講習を受講・修了するだけで、免許状の再授与を受けることができます。

失効した教員免許、履歴書には書けないの?

前述のとおり、失効した場合でも教職課程の単位までは無効になりませんから、「教員免許を持っている」という記載をすることは可能です。
しかし、その場合も、今後「更新講習」を受講する必要がある旨を併記する必要があります。

免許状が失効していたら、教員採用試験は受けられないの?

教員採用選考試験では、免許取得(見込み)が受験資格になっているため、免許状が失効している場合は受験自体が不可能になる可能性も。
こうした不利益を防ぐため、文科省は、教育委員会などの教員の任命権者に対して、免許状の失効をもって、教員採用試験において受験させないことや不合格とすることがないよう要請していくことを表明しています。
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