資格・検定/資格アーカイブ

徹底比較!日商簿記検定 vs FASS(ファス)(3ページ目)

就職・転職市場において、安定した人気と知名度を誇る「簿記検定」と経理系資格期待の新星「FASS(ファス)」。この両者を徹底比較してみましょう!

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

役に立つのはどちら? 資格の効果を徹底比較!

「仕事に活かせる資格」のイメージが定着している「簿記検定」。「ほんとに知ってる?定番資格【簿記編】」では、一般的に考えられる効果を以下のようにまとめてみました。

「簿記検定」の効果

■その1:合格者への特典がある
1級合格者に税理士資格の受験資格が与えられることは、比較的知られていますが、その他にも下記のような「特典」があります。
1級 ・税理士の受験資格が与えられる
・職業能力開発促進法の指導員資格試験において、事務員の試験科目が一部免除される
2級 ・大学・短大入試での優遇がある(各校による)※注
・授業料全額免除の対象となる(群馬県:前橋国際大学)
3級 大学入学資格検定(大検)で「簿記会計」の科目が免除される
※注:大学・短大の入学基準・優遇となる商工会議所の検定試験参照のこと

■その2:経験との組み合わせで就・転職のアピール材料となる
資格より実務経験が優先される経理職でも、「簿記検定」2級は書類審査での合否の目安として使われること多し。1級なら、実務経験が不足している際の補完材料となることもあります。
また経理職以外でも、営業事務や一般事務で資格を持っていれば「尚可」という求人は多く、経理・営業事務などの実務経験がある方であれば、取っておいて損は無い、むしろ「取るべき資格」と言って良いでしょう。

■その3:ビジネスパーソンとしての基礎力アップ
簿記を学ぶことによって習得できる経営管理能力や分析力は、ビジネスパーソンの基礎力強化に欠かせないもの。特に、現在管理職に就いている、あるいは将来的にマネジメント層を目指したいなら、必ず役に立つでしょう。もちろん仕事だけでなく、家計管理に使ってもOKです。

一方の「FASS」の効果はどうでしょうか?


「FASS」の効果

■その1:社内でのキャリアアップ・評価アップに効く
スタート当初から、多くの大手企業が導入しているのも「FASS」の特徴。これらの企業では、自社社員のスキル教育やジョブローテーションの参考として「FASS」のスコアを活用しており、特に経理・財務部門でのキャリアアップ・評価アップを目指すビジネスパーソンにとっては見逃せない傾向と言えるでしょう。

■その2:高スコアで年収アップのチャンスあり
受験の際に収集した受験者個人の属性とスコアとの分析結果によると、「FASS」のスコアと、年収、経理財務の経験年数、役職との間に明確な相関関係があることがわかっています。

これはいわば「FASS」が、「現場での納得感が証明された実務検定」であることの証明。こうした認識が普及すれば、高スコアをマークして実力を証明することにより、職場での適正な人員配置が可能となり、結果的に年収アップのチャンスに結びつくこともあるでしょう。

■その3:就職・転職のサポートあり
試験実施団体である一般社団法人日本CFO協会では、2016年8月1日より、転職エージェントと業務提携をスタート。「FASS人材バンク」にて、経理パーソンへの正社員・派遣紹介サービスを行っています。

■その4:「FASSグローバルテスト」なら7か国語に対応
2012年から実施していた「アジア版FASS」が2015年上期受験から「FASSグローバルテスト」にリニューアル。海外法人・拠点や中堅中小規模の経理・財務業務に特化し、従来FASSと比べると基本的な範囲に限定した「基礎コース」という位置づけで、国の違いに関わらず標準的に求められるスキルに特化しました。

英語や中国語をはじめとする7か国語に対応しているので、中国人スタッフや日本人スタッフが英語版試験を受験するなど、母国語以外の言語版の試験を受けることが可能です。



率直に言って就職・転職市場においては、「簿記検定」の知名度は圧倒的。多くのサイトでも、「簿記検定」をキーワードにした求人は数多くヒットしますが、「FASS」でのヒットはほとんどありません。

もっともかたや60年の歴史、かたや2005年スタートの後進資格。受験者数も文字通り「桁違い」なのですから、こうした違いは当然と言えば当然でしょう。

むしろ後進資格でありながら、「FASS」が大手企業を中心に、企業の経理・財務スキルの新スタンダードとして認識されているという事実の方が、より注目に値すると言って良いでしょう。


>>「簿記」vs「FASS」の徹底比較は、残る「その他」の要素について見てみましょう。
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