資格・検定/資格アーカイブ

どうなる?!英検(2ページ目)

2006年4月、ビジネスパーソンにおなじみの英語資格検定「英検」から、国のお墨付きの証である「文科省認定」の冠がはずれます。そのとき何が起こるのか?英検の未来を検証します!

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

「仕事に活かせる資格」としての英検の弱点とは

●弱点その1 国内ビジネスシーンでしか通用しない

1ページでも触れたように、英検最大の弱みと言えば、英語力というグローバルなスキルを証明する資格検定にも関わらず、「日本国内でしか通用しない」ということです。まだ外資系企業の参入も、海外ビジネスシーンでの日本人の活躍もそれほど無かった1963年、英検誕生当初は、それで十分だったはずですが、グローバル化が進んだ現代では、そうは言っていられません。せっかく努力して取った「英検1級」も、海外のビジネスシーンでは「それで?」となってしまうわけです。

●弱点その2 有効期限無し、一度取れば永久に有効

語学検定は定期受検が基本!」でもお話ししたとおり、「語学力」は、使わないとあっというまに錆び付いてしまう能力の代表格。そのためTOEICでは、スコアの有効期限こそ無いものの、スコアの証明書である「Official Score Certificate(公式認定証)」の発行は、受検日から2年以内とされています。つまるところ、その期間を過ぎるとどんなに高いスコアであっても、「今」の英語力を的確に証明しているとは言えないということ。そのため定期的な受検を心がけ、常に最高のスコアを保つために自己研鑽に励む必要があるのです。
ところが英検は、一度取ってしまえば永久に有効、という資格。必然的に「15年前に取った『準1級』」というような事態が起こってきます。本来、取得年月日が新しければ新しい方が「今のスキルを的確に表している」と考えられるのが語学系資格検定。英検のこの特徴は、「即戦力」を求めるビジネスシーンにあっては大きなマイナス要素となり得るのです。

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このような弱点がある英検。
実際、TOEICの知名度アップに従って、採用や昇給基準にTOEICのスコアを挙げる企業も増加。一方の英検は、ここ5年間、年間10万人単位で受験者数が減少しています。
そこに「認定」がはずれるとなると、事実上、たくさんある民間英語系資格検定の中の1つになるわけですから、その内容、取得による効果がこれまで以上にシビアに問われることになります。当然、ビジネスパーソンが「仕事に活かせる資格」として英検を活用しようとするならば、TOEICのようなグローバルな試験には無い、英検ならではのメリットが欲しいと考えるでしょう。
英検が、これまでどおり英語系資格検定の代名詞としてのステータスを保つには、弱点を補い、他には無い独自性を高めていくほかはありませんが、これは間違いなく厳しいハードルです。

>>前途は多難な英検ですが、このままでは終わらない?!生き残りをかけた、英検の新たな挑戦をご紹介しましょう!
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