「木」を愛する国民性
デンマークの古い家(わらぶき屋根・木造)。 |
Shoheiさん:「素材」の使い方でもデンマークと日本では同じような考え方があると感じました。デンマーク人は、日本人と同じように木造家屋に住み、木という素材と付き合いながら暮らしてきた文化的な背景があります。どちらの国も、木の質感や特性を生かしたインテリアのデザインに作り手は長けているし、消費者もそれを愛する、そんな雰囲気も似ています。
日本の部屋にデンマークの家具を、デンマークの部屋に日本の家具を持ってきたとしても両者の相性は抜群で、違和感は感じないと思います。
”Hyggelig”(ヒュゲリ)というキーワードに隠されたデンマーク人独特の感覚
共通のものがあるとはいえ、もちろんデザインの面での相違点は感じます。その手がかりとして、デンマーク語で”Hyggelig”(ヒュゲリ)というデンマーク人がとても大好きな言葉があります(考え方と言うか信条や哲学に近いかもしれません)。快適・心地よいという意味なのですが、ニュアンスはデンマーク人でなと理解は難しいらしいです。ある日本人の方は京都弁の「ほっこり」に近い表現だとおっしゃっていました。これが、作り手と消費者が無意識のうちに重きを置くところであり、デンマークの文化とデザインによく染み込んでいるのです。
例えば、デンマーク人はロウソクの灯りをこよなく愛します。電気に比べて高いでしょうし、明るくもありません。しかし、それは電気の光には無い「ほっこり」を好むからです。
ガイド:逆に、日本のデザインをデンマーク人が見ると、どのように感じるのでしょうか?
Shoheiさん:そうですね。日本のデザインはデンマークでも高く評価され、参考にもされています。同様に国民性や文化面もその信頼性の高さの点で評価してくれているように感じます。ただ、ヒュゲリな部分までそぎ落としてしまっている部分も思い当たりますので、デンマーク人にとっては、どこか息苦しさを感じているようにも思えます。
デンマークに住んだり、デンマーク人と触れ合う機会があれば、ぜひこのヒュゲリについて聞いてみてもらえればと思います。
ガイド:旅行で人魚の像を見にいくだけでは、知ることのできない感覚ですね。
Shoheiさん:そうですね。実際に暮らしてみて、デンマークの本当の良さは四季を通じて初めて経験できるものだと思いました。秋冬は日照時間が極端に少なく、本当に人々の気分を鬱々とさせるために、家庭での時間をいかにヒュゲリに過ごすかが重要になりますし、また日差しが強くなってくる春の喜びや、23時くらいまで明るい夏の夜の心地よさは格別で、仕事など手につかなくなるのもよくわかります(笑)。
ガイド:それでも労働生産性はOECDの発表で、デンマークが世界10位、日本は20位ですからね。見習うべきところはたくさんありそうですね!
◆後編は「デンマークのワーキングホリデー事情(下)」に続きます!
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