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「そっくりさん資格」に気をつけろ!(3ページ目)

世の中には、そっくりな名称を持っている資格試験のペアが、意外と少なからず存在しちゃっています。紛らわしいことこの上ないんですが、この雑多な感じもまた、資格試験の面白さのひとつ、といえるのかも。

鈴木 秀明

執筆者:鈴木 秀明

資格ガイド

ケース3「DCアドバイザー」と「DCプランナー」

どっちのほうが「頼れそう」かな?
べつにどっちでもいいじゃないか
前者の「DCアドバイザー」確定拠出型年金教育・普及協会が、後者の「DCプランナー」金融財政事情研究会(金財)と日本商工会議所とが共同で実施している資格試験です。

「DC」というのは「確定拠出年金」の略で、非常に大雑把にいうと「拠出者が自己責任で運用対象などを決める」という、アメリカから入ってきた新しい年金運用のしくみのことで、これが近年注目を集めているのです。それで、自己責任でいろいろ決めなきゃいけない、ということで、確定拠出年金の専門家みたいな制度を作って、コンサルティングをさせようということになった……というようなストーリーでしょうかね。

そんなこんなで、「DCアドバイザー」「DCプランナー」っていう同じような試験制度が、偶然同時期に作られ、今に至るまで並立することになったと、まあそんな流れなんでしょうか。実際、同じような資格認定制度が2つあるってのは、ちょっと微妙だと思うのですが、両者とも、今さら引くに引けない、という感じ?

ずいぶん前の話になりますが、ガイド鈴木の個人的な興味から、試験事務局に「そのへんどうなんですか?」と問い合わせてみたことがあります。すると、必ずしも両者の間にライバル意識みたいなのがあるわけではなくて、むしろ「どちらでもお好きなほうの試験を受けていただければよろしいかと思います」というコメントをいただきました。

なんか同じような資格制度が2つあるみたいだけど、まあそれはそれでいいんじゃない?みたいなスタンスなんでしょうか。少なくとも、両者を統合して1個の資格にしようというような動きは特にないそうです。

ところで、試験内容はともかくとして、両者の試験のしくみ自体は、かなり異なった様相を呈しています。

DCアドバイザー試験は、「第1分野」「第2分野」「第3分野」の3科目からなっており、この3科目全てに合格することで認定されます。分野ごとに合格が認められており、一度合格した科目は1年間有効となっています。出題形式は四者択一式で、20歳未満の人は受験できないという年齢制限がなぜかあります。

一方、DCプランナー試験は、「3級試験」「2級試験」「1級試験」からなる、ベーシックな「級」形式の試験です。出題形式は基本的には四者択一式ですが、1級試験のみ、若干記述式問題が出題されます。受験に際して特に制限はありませんが、1級試験を受験するためには2級試験に合格している必要があります。

……という感じです。似ているのは名称と出題内容だけ?

まとめ

資格試験というのは、名称が非常に紛らわしいものがけっこうあって、そっくりな名称を持つ資格試験が複数個存在していることも、決して珍しいことではありません。それぞれの試験実施機関には、悪気はないんでしょうが……。

「技能」「実務」「実用」「能力」という、いかにもな文言を冠した資格試験には、そっくりさんがいる可能性が高いので、要チェックですよ。
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