国家資格など公的資格やIT系に多いベンダー資格など、通常資格というのは誰もが受験できて誰もが持つことが出来るものです。しかし、世の中にはある特定の会社に勤めている人にしか取得できない資格もあります。「社内資格」がそれです。
少し調べてみると、かなり多くの企業で導入されているようなのです。

企業名 資格名 内容
イオン イオン鮮魚士など 対象は、パートタイマー・社員。10以上の資格があります。イオン鮮魚士、水産鮨マスター、イオン惣菜士、ホットデリカマスター、寿司マスター、イオンサイクルアドバイザーなど、カテゴリも食品系だけに限らず、自転車、化粧品など多岐にわたります。いずれも、商品知識・接客などについて、社内試験で選抜されます。
スターバックス ファシリテーター制度 新規採用者向け研修の講師を務めるのが主な役割 で、社内の試験を突破すれば社員でもアルバイトでも資格が与えられます。同社の精神である「社内に階層を設けない」事を実践するために導入されています。
藤和不動産 HAマスター 同社はマンション営業に、コンサルティング営業の手法を用いています。HAとはハウジングアドバイザーのこと。HAマスターは、営業のプロであるとともに、後進の育成にもあたる人のことです。
富士通 プロフェッショナル 同社のエキスパート級のSEが対象。L1からL5までの5段階に分かれており、最高位のL5になると、従来の月報の約40%の増額をのぞめます。さらに、大型プロジェクトの成功などの功績があった場合は、ボーナスの増額があります。若くても優秀な社員には役員級の給与を支払う仕組みになる予定です。
マツダ サービスアドバイザなど サービスエンジニアD~A級。サービスアドバイザーD~A級。新人が顧客への接客や、車の整備を行うにあたって一人前になる課程で取得してゆく資格です。取得にあたっての研修制度があります。
ブリストル製薬 MR認定制度 MRすなわち、医薬情報担当者は、人の命にかかわる医薬品について深い知識と経験を求められます。そして医師に正確な情報を伝える能力も必要となるのです。その育成にあたって、社内資格制度を取り入れています。さらに上級者は「アドバンスドMR」に認定されます。


【社内資格の導入目的】
 これらは、ほんの一部でしかありませんが、これだけを見ても食品・不動産・IT・製薬など多くの業界にわたっているのが判ります。おそらく、ほとんど全ての業界で「社内資格制度」は取り入れられていると思われます。その目的は、社員の士気向上・知識・スキルの向上などが大半ですが、多くの場合、この目的は達していると思われます。

【社内資格が用いられる分野】
 よく見ると、社内資格に用いられていない資格があるのに気づきます。代表的なのが、「英語」。英検やTOEICがあるので、社内資格を設ける必要が無いのでしょう。逆に言うと、公的資格が無い分野に社内資格が用意されているというのが実態だと思います。例えば、イオンの「イオン鮮魚士」や「サイクルアドバイザー」などです。魚を見る目というのは、まさに専門家の見識を要求される分野ですが、これを認定する資格は公的には有りません。こういった分野では極めて有効な制度だと思われます。
 また、富士通が行っているようなITのプロフェッショナルの認定制度は、公的にも「ITスキル標準」として認定されようとしています。これなどは、企業の認定制度の方が公的資格よりも進んでいた事例の一つでしょう。
 また、藤和不動産のHAマスターは、マンション営業のプロとしての認定ともいえます。不動産の販売にあたっては、宅地建物取引主任者という公的資格があるのですが、これは営業のノウハウを認定するわけではありません。業界に資格があっても、それだけで十分でない時、企業側はニーズに合わせて独自の資格制度を設けることが多いようです。そして、それが先駆となって、公的資格が後からついて来ることもある訳です。


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