「アマチュア無線」と聞いても多くの人は「そんな資格もう要らないよ」とおっしゃるのではないでしょうか?携帯電話が普及した昨今、個人同士の無線による会話は完全に携帯電話に置き換わったかに見えます。実際にここ数年は、利用者が激減しているのは事実です。でも、アマチュア無線にも意外な使い道が残っているのです。
 筆者は、よく友人達といっしょに、車を連ねて日帰りの旅行に出かけます。子持ちの夫婦者は1台の車に1人から2人の子供を乗せて合計3~4人乗車で走行します。5家族くらいで旅行ともなると、はぐれないようにするのに結構苦労することになります。こんな経験をした人は筆者だけではないでしょう。こういう時、普通なら携帯電話で連絡を取り合って行けばいい位に思って気軽に出かけることが多いものです。しかし、高速道路の分岐点などであわてることになります。携帯電話は一度に一人としか話が出来ませんから、一人づつドライバーとなっているご主人か助手席の婦人を呼び出すことになります。一人に伝えて電話を切り、次の人の電話番号を電話帳から探し出してまたかける。そうしている間にも分岐点は近づいてくる。こんな思いをしたことはありませんか?
 こういう時、グループ全員がアマチュア無線の資格を持ち、ポータブル型の無線機を持っていれば連絡はもっと簡単に出来るのです。携帯電話と違って、無線機の場合は同じ周波数に合わせている全員が同じ話を聞くことが出来ます。先頭の一人が指示を出せばそれを全部の車に伝えることが出来ます。無線機と携帯電話との決定的な違いはこの同報性にあります。
 ポータブル型の無線機には、スピーカーとマイクが内臓された手のひらサイズの装置がオプションで提供されているのが普通です。これを胸元にクリップで留めておけば、さらに会話が簡単になります。筆者がよく行動をともにするグループの人々は全員がこのタイプの無線機を持っています。
 方向の指示だけでなく、「あの看板は何?」とか「あのお店に行ったことある?」とか会話しているだけで渋滞のイライラも解消するというものです。しかも携帯電話と違って、アマチュア無線を使えばスイッチをオンにしたままでも利用料金は一切かからないのです。
 10年ほど前、筆者が無線を始めた頃は利用者が沢山いて、周波数を確保するのに苦労したものです。特に車のグループ走行で使用する場合は、移動に伴って今まで使えていた周波数を別の人々が使っているといったこともよく起こりました。その度に空いている周波数を探して移動しなければならなかったのです。今は携帯電話にみんなが移ってしまいましたから、無線の周波数はガラガラで使い放題です。そういった意味では携帯電話の普及がこのような車のグループ走行に使うような利用方法を容易にしたとも言えます。

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 いいことづくめのアマチュア無線ですが、ひとつだけ超えなければならない関門があります。アマチュア無線を楽しむためには試験を受けてこれに合格しなければならないのです。
 「第4級アマチュア無線技士」、略して「4アマ」といいます。この資格を持っていると「空中線力20ワット以下の無線機で30MHZ以上の周波数を使って交信する」ことが出来るようになります。大体ポータブル型の無線機で約20キロメートル位の範囲で交信できると考えてください。この試験に合格しないまま無線機を操作すると法律に触れることになりますから注意が必要です。
 「無線のことなんて難しくてわからないわ」という人もいらっしゃるでしょうが心配はご無用です。4アマの試験は択一式で、その内容は数値も含めてほとんど毎回同じといわれています。極端に言うと、試験問題を丸暗記しておけば確実に合格することが出来るのです。実際に小学生や高齢者の合格者も沢山いらっしゃいます。

 参考書は例えば以下のようなものが一般の書店で容易に入手できます。

 東京電気大学出版局 「これ一冊でかならず合格~第4級ハム教室」

 試験は各都道府県にある日本無線協会の本部・支部で行われます。東京の本部では毎月当日受付の試験も開催されています。詳細はホームページをご参照ください。

 オールアバウトの中にも専門のガイドサイトがあります

 http://allabout.co.jp/hobby/radioham/