■広場でホット一息、あっ、ここはあの!
ゴッホの絵に思いをはせつつ歩き回っていると狭いアルルといえども疲れます。一息入れようとキャフェを探すと街のど真ん中に広場中いっぱいにひろがったパラソルや椅子。たくさんの客の間をいそがしそうにすり抜けて行くギャルソンたちを見つけるに違いありません。
広場の東の一角にコリント式の柱が埋め込まれています。これがローマ時代に市民が集まり政治を執り行ったフォーラムの遺跡。ちゃっかり取り込んでホテルにしているのはノール・ピニュ。ピカソやジャン・コクトーなどが泊まったということで有名な老舗ホテル。左を見ると・・・
あっ、ここはあの「夜のキャフェ・テラス」じゃないか!という訳でパネルにはめ込まれたゴッホの絵と見比べつつついカメラのシャッターを押してしまうでしょう。それにしてもつくづく眺めてみるとこの絵の色彩の鮮やかなこと。なのにまぎれもなく夜の風景。ここは日が暮れてからぜひもう一度来て見ましょう。
■ひまわり畑の向こうには
このアルルという町はぐるりを水に囲まれています。ローヌ・アルプ平野をうるおす大きなローヌ川はアルルの北から西側に回り込んだあと2つに別れ地中海へ。東側は高架のような水路を導き東に広がる広大なクロウと呼ばれる荒地に貴重な農業用水を送ります。
昔は石灰岩質の石ころだらけの土地に強い地中海からのミストラルが吹きつける不毛の地であったこのクロウを、アルルの人々はけんめいに耕し、水を引きついに現在のような豊かな畑に変えてしまいました。
アルルの町から高速道路の下をくぐりメルキュールホテルの横を過ぎればそこはもう畑、畑、畑。中心から2キロも離れていないのにすっかり郊外です。そして6月ともなれば一面ひまわりの花!そうですゴッホも同じふりそそぐ光りの下で燃えるようなひまわりの花を見て描きたい衝動にかられたに違いありません。