佐伯の提案『ATM行け詐欺』
ATM 行けと言われて 詐欺と知る (c)Yukiko Saeki |
これらのように彼ら詐欺師たちが必ず使う言葉を「○○詐欺」として使ったほうが、実際の場面で言われるので被害を受ける前に気づきやすいと考えられます。そこで、「還付金詐欺」について、防犯ガイド佐伯が考えたのが、『ATM行け詐欺』です。
税金の還付金、医療費の払い戻し、年金の過払いなど、あらゆる理由を口実にかかってくる「還付金詐欺」の電話ですが、彼らが必ず口にする言葉が、「ATMに行って下さい」というものです。これを言わずには詐欺行為は成立しないほどの重要なセリフです。なにしろ「振り込みと思わせずにATMで振り込み手続をさせること」で、「携帯電話を使用しながらでないと実現できない詐欺」なのです。
この携帯電話が不可欠であることから、前回の記事『還付金詐欺被害を防ぐ「なるほど」のコツ』では、携帯電話を持っているかと訊かれたら「持っていない」と答えるだけで、被害を防げるとお伝えしていました。その後、金融機関によっては「ATMでの携帯電話利用禁止」などを提案するなどの対策が出されたりしましたが、これだけ携帯電話が普及し、振り込め詐欺でない振り込みやその他の操作などでも携帯電話の利用はあり得るため、実際的ではないようです。
「ATMに行って操作をしてもらう」ことが詐欺師たちの目的ですから、「ATMに行って下さい」と言わないわけにはいかないのです。だからこそ、『ATM行け詐欺』あるいは『ATM誘導詐欺』でもいいのですが、「誘導」という文字が画数も多く字面も堅いと思われます。
どんな内容であろうと、「『ATMに行って下さい』という言葉を言われたら、それは『ATM行け詐欺』だから信用してはいけない」と、注意を促すにも説明しやすいですし、電話を受けた人も分かりやすいのではないでしょうか。「振り込め」と同じ「(ATMに)行け」という命令形になっている点も同じなので、意味合いも近く、より実感として伝わりやすいと考えられます。
本当は「ATM」というのが語呂もよくなく、ちょっと言いづらいのですが、言葉として通用しているのでそのまま使うことにして、『ATM行け詐欺』……いかがでしょうか。もちろん、名称のいかんを問わず、「還付金詐欺」というものがあると知って、具体的に内容を知り、対策を知っておくことが何よりも大切であることは言うまでもありません。
もっと詳しく「還付金詐欺」について知りたい方は、還付金詐欺被害を防ぐ「なるほど」のコツ を始めとする下記の記事等をぜひご覧ください。
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