日本人に騙される!
親切な日本人? |
名前と日本の住所や電話番号も書いてくれました。同じ日本人同士、困ったときはお互い様と思って、そのとき持っている紙幣を全部(場合によってはATMから現金を引き出してまで)貸すことにしました。もちろん、サインをした借用書もその場で書いてくれました。感謝の言葉を繰り返してその人は去って行きました。しかし、その人からは連絡は一切なく、日本に帰国後、連絡をしてみると、名刺や書いてくれた住所はまったくのデタラメでした。
やっと、日本人から詐欺に遭ったのだと気づいたときにはもう遅く、日本円にしたらけっこうな額のお金が戻ってくることはあり得ません。警察に届けようにも、すでに帰国してしまっており、なすすべがありません。外国には、日本人を騙してお金を巻き上げる日本人がいるのだと、帰国してから話を聞いたのですが、時すでに遅し。外国人にだまされるより気分が悪いと憤慨してもお金は戻ってくるはずもないのです。
何の保証も確かなことも一つもないのに、お金を貸すのであれば、相手にくれてやる、というつもりでいるしかありません。そもそも、見も知らぬ他人にお金を貸すでしょうか? 異国にいるから、同じ日本人だから、と心のどこかで思っていたのだとしたら、それこそが油断だと知っておきましょう。日本人が日本人に騙されるケースは男女とも被害が発生しています。
せめて、不審な相手は、ごく自然な様子で写真を撮っておけば、通報したり、次に被害に遭う人への警告にしたりすることができるかもしれません。
昏睡強盗に遭う!
外国の観光地で、親しげに笑顔で近づいてくる外国人がいます。「コニチワ、アリガト」と下手な日本語を、あるいは、海外で活躍している日本人サッカー選手の名前などを口にしています。外国で外国人が話す日本語はなんだか懐かしく、つい応答してしまいます。他愛のない会話を続けるうちに、「ガムヲアゲマス。オイシイデスヨ」あるいは、「ノドガカワイタデショウ。ジュースノミマスカ?」などと、ガムやちょっとしたお菓子や飲み物などを勧めてきます。それまで会話を交わしていたあなたは、つい断りきれず「サンキュー」と言って、口にします。「あれ?」と思っているうちに猛烈な眠気に襲われて、気がつくとベンチで横になっていました。バッグが残されているものの、パスポートも現金もカード類も、金目のものは一切なくなっていました。電話をかけようにも小銭もなければ電話番号も分かるものはありません。
やっとのことで、最寄りの店に立ち寄り、事情を身振り手振りを交えながら説明して警察に連絡してもらいました。被害届を出しても何も返ってくるはずはありません。女性なら強姦被害を受けずに済んだこと、男性なら暴力を受けたり、最悪殺されたりするようなことがなかっただけでも、不幸中の幸いと思うように言われて、あなたは勧められたお菓子や飲み物をどうして断れなかったのだろうかと、自分を悔やみます。
おそらく睡眠薬入りの飲食物で、貴重品を狙った一味の仕業でしょう。「昏睡強盗・睡眠薬強盗」などといわれます。異国の地で、初対面の人から飲食物をもらって飲食することは危険極まりないことです。ちょっとした日本語を話しながら親しげに近づいてくる人物に油断してはいけないのです。これは騙す人が日本人のケースもあります。
そして、女性2人の旅行時に、イケメンの外国人に強姦被害に遭ってしまった事例を次ページでご覧ください。