防犯/防犯小説

ミセスの危機管理ナビ~独身美女の仕事と男(4ページ目)

【連載第1回】麻季子の学生時代からの友人、浅丘泉は美人のキャリアウーマン。麻季子と正反対の生き方だが昔から仲がいい。恋多き女、泉の最新の恋人は若い男だといい、麻季子は不安な感じをぬぐえない。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

悪い予感

最初に会ったときに
最初に会ったときに
「普通はって」
「だって、最初に会ったときにもう…ムフフ」
「信じられない! だって、もし病気とかだったらどうするの? 怖くないの?」
「もちろん予防はするわよ。私、エイズ検査は何度も受けてるし」
「相手は分からないじゃない」
「だから、実際に会う前にね、メールでかなりやり取りをしていたのよ。趣味とか、考え方とかだいたい理解してから会ったから、初めて会ったという感じがしなかったのよね」

「会ったこともない人にメールで本当のこと書く? 全部、ウソかもしれないじゃない。イズミーに合わせているだけかもしれないよ」
「いいのよ。私だって、年齢も仕事も住んでいるところも嘘言ってるし」
「まるで狐と狸ね。でも、男なら話は違うかもしれないけど、イズミーは女なんだから」
「とにかく話が合うのよ。将来へのビジョンもちゃんと持ってるし。結婚してもいいくらい。年の差婚ってのも、最近は女性が年上というのも流行っているし」

「まあ、電撃年の差結婚でもいいけど。そのためには真実を話さないとダメじゃないの? 遊びだって言う割には、真剣モードが入ってそうじゃない」
「ま、けっこう男前で、考え方もしっかりしてるし」
「でも、そういう男は若い女子を選ぶんじゃないかなぁ」
「だから、遊びだって。心配しないでよ~」
「でも、年相応の分別は持っていないと。イズミーは女なんだから。なんかいやな予感がするなぁ」
「やだぁ。昔からマッキーの予感って当たるよね。大丈夫よ。私だって社会的立場もあるし。仕事と遊びは切り離してるから」


当たり前に考えたら、若くていい男が何も好き好んでずっと年上の女と結婚しようとは思わないだろう。これが男女逆の話ならそれほど問題ではないだろうが、「出会い系サイト」などで知り合ったような若い男になぜ真剣になってしまうのか。仕事もできる大人にしては、あまりにもうかつな火遊びとしか思えない。微妙な心境らしい泉の身に危険が迫っているような気がする。10日も経たないうちに泉からまた電話がかかってきたときに、麻季子は悪い予感の的中を感じていた。

続きは【連載第2回】 「ミセスの危機管理ナビ~男と女の間のウソ」で、お楽しみください!

【全4回】
連載第1回「ミセスの危機管理ナビ~独身美女の仕事と男」
連載第2回「ミセスの危機管理ナビ~男と女の間のウソ」
連載第3回「ミセスの危機管理ナビ~男の本性、見たり!」
連載第4回「ミセスの危機管理ナビ~男と女の化学反応」

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