防犯/防犯小説

ミセスの危機管理ナビ~独身美女の仕事と男(3ページ目)

【連載第1回】麻季子の学生時代からの友人、浅丘泉は美人のキャリアウーマン。麻季子と正反対の生き方だが昔から仲がいい。恋多き女、泉の最新の恋人は若い男だといい、麻季子は不安な感じをぬぐえない。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

男も女も若いほうが…

若いほうがいい
若いほうがいい

「ホント、正直言って迷ったわよ。でも、結局、買わなかったけどね。そういえばさ、最近話題になった15歳のアマチュアスポーツ選手、いるじゃない? あの子の母親って39歳なのよね。私たちと変わらないのよ。ちょっとショックよね」
「あら、だって、○ー娘。のなんとかちゃんたちなんか、デビューしたときに親が30代前半だったりしたわよ。ハタチのときの子で、12歳でデビューしたら、親はまだ32歳だからね」
「エリザベス・テーラーは30代でおばあちゃんになったし」

「だって、18歳で子どもを産んで、その子も18歳で子どもを産んだら、30代で軽く祖父母になるわよ」
「でもま、人は人、我は我だし。それに今度の子が若いし」
「あらっ! また新しい人? いくつ?」
「27歳。だから5歳年下」
「やめてよ~11歳も下じゃない。もしかしたら一回り下? それってどうなの?」

「だって、男はいくつになっても20代や下手すれば十代の女の子と付き合うじゃない。なんで女はダメなの? 女だって、男は若いほうがいいに決まってるじゃない」
「うーん。そう言われるとなんとも…。まあ、相手にしてもらえるかどうかかなとも思うけど。でも、いったいどこでそういう子と知り合うわけ?」
「いろいろだけど、今回はたまたまネットで知り合ったのよ」
「まさか『出会い系サイト』? うそぉ。危ないでしょう?」
「全部が全部、危ないわけじゃないわよ」

『出会い系サイト』で
『出会い系サイト』で
「でも、相手の素性も分からないんだし。もう会ったの? ウソ。信じられな~い。で、自分は32歳だって言ったわけ?」
「最初にノリでそういうことにしちゃったから。でも、全然疑ってないみたいだし」
「なにやっている人?」
「コンピューター系。ゲーム関係の会社らしいの」
「それはその人がそう言ってるだけでしょ?」
「だって、別に嘘でも関係ないわよ。仕事の内容で相手を選んでいるわけじゃないし。ちゃんと働いているんだから」

「学生じゃなければ、働いているのは当然よ。ねえ、ちょっと大丈夫なの?」
「大丈夫よ。別に20代の子と付き合うのが初めてじゃないし。まあ、今度の彼は若い割には話も通じるし。頭のいい子なのよね。ちょっといいのに当たったかなと思って。ま、仕事、仕事じゃストレスも溜まるから。たまには若い男と遊んでもいいでしょ」
「そりゃねえ、それが一番手っ取り早いストレス解消だろうけど。でも、何か心配なのよ」
「でもほら、あくまでも遊びだから」

「本気じゃなくて男と付き合えるってのが信じられない」
「まあまあ。遊ぶのはわたしだから。むしろかなりイケメンで、いいのかなって気はするけど。フフ」
「イケメンだったら、女に慣れているでしょう? 女を騙すのも慣れているんじゃない? もう。どうするの、いったい?」
「今度会うのが三度目だから」
「それって、いよいよ男と女の関係になるってこと?」
「普通はね」

  • →悪い予感/あなたの一票/関連防犯ガイド記事……p.4
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