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子どもや女性の被害
エレベーターは死角い箱 |
子どもや女性は、露出魔に遭遇したり、見知らぬ男に突然抱きつかれたり触られたりする被害に遭うことが非常に多く、建物によっては「不審者出没につき、注意してください」などの貼り紙が出されていることもあります。最近起きた事件には、下記のようなものがあります。
9月4日午前0時ごろ、茨城県土浦市内のマンション1階で、エレベーターを待っていたパートの女性(27)が、背後から男に抱きつかれて胸などを触られました。そのままエレベーター内に引きずり込まれそうになりましたが、悲鳴を上げて抵抗したため、男は逃走。通行人の男性ら3人が男を追いかけて取り押さえ、市内の研修医(29)の男が強制わいせつ容疑で逮捕されました。
また、8月27日大阪府柏原市内で、マンションのエレベーターに乗り込んだ女性(23)の背後から首を絞めて、ナイフを突きつけて脅し、現金12,000円を奪った後、数百メートル離れた自宅マンションに連れ込み暴行しました。翌々日、強盗に入られて家賃が支払えないと無職の男(31)が届け出て、警察官が調べたところ、女性が届け出ていた現場の特徴と一致したため、この男は強盗強姦の疑いで逮捕されました(強盗に入られたというのは嘘だと見られている)。
男だって危ない
では、男性なら安全なのかというと、そうでもありません。今年4月19日午後7時10分ごろ、横浜市のマンションで、団体職員の男性(39)が、エレベーター内で男に刃物を突きつけられて金を要求され抵抗したところ、胸などを刺されて現金約1万円が入った財布を奪われました。8月21日に中国籍の無職の男(30)が強盗殺人容疑で逮捕されました。「金を出せ!」と言われて、おとなしくお金を出してそれ以上の被害を避けたという「カツアゲ」被害に遭った男性は、実はけっこういるものかもしれません。オヤジ狩りは路上でだけ起きているわけではないでしょう。報道されていないからといって事件が起きていないことにはならないのです。
身近な被害例
ガイドが取材した中で、ある女性が深夜の帰宅時に、オートロックタイプの自宅マンションのエレベーター内で突然、同乗していた見知らぬ男が彼女のバッグを奪おうとしたそうです。女性はバッグを奪われまいと必死になり、なんとか大声をあげることができて、男は逃走したのですが、女性が感じた恐怖は大変なものでした。オートロックシステムだったので乗り込んできた男が居住者と思い込み、油断したといいます。オートロックシステムは信頼できず、むしろ恐いと感じ、エレベーターの恐さを考えて、その後、女性はオートロックではない、エレベーターのない建物に引っ越しました。別の女性は、やはり深夜の自宅マンションのエレベーター内で、見知らぬ男に突然、抱きつかれました。声をあげることができずに、男を押しのけるだけで精一杯だったそうです。自分の後に男が乗り込んできたときに、つい奥に入ってしまったのが失敗だったと思ったとのこと。たまたまエレベーターが動き出して、男は逃走しました。
ほかにも、子どもがエレベーター内で露出魔に遭遇したとか、見知らぬ男にピッタリとついてこられて自宅を知られてしまった女性とか、色々なケースが発生しています。見知らぬ男に無言のまま、突然殴られて負傷して、その後は恐怖のあまり、エレベーターに乗ることができなくなってしまった中年女性のケースも把握しています。
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