見知らぬ相手からの電話は信用するな
電話で暗証番号を言ってはいけない |
しかし、今度は家の外にいても、働き盛りの男性であっても、女性でも、どの時間帯であろうとも、見知らぬ人からの電話に警戒が必要であるということがわかりました。「相手がなんと名乗ろうと、電話で相手がそう名乗っているだけで、姿も見ないで信用することは危険だ」と、意識しておかないとだまされてしまうのです。電話で相手が名乗っただけで、たずねられると答えてしまうということにならないようにしましょう。
もし、初めての相手からの電話で、相手が「警察官」や「弁護士」「銀行員」を名乗ったとしたら(本来ならこの時点で疑うべきですが)、まず相手がどこの誰かという点をしっかり確認しましょう。どこの署の、何課の何という名前なのか、何銀行の何支店の何という名前なのか、何という法律事務所でどこの弁護士会の、何という弁護士なのかフルネームを確認するのです。そして、こちらから電話をかけなおすと伝えて、自分で「104」などで調べて実際にかけてみることです。
ただし、それができるような人なら、被害に遭うことは滅多にないでしょう。先ごろ「振り込め詐欺」の被害実態についての報告がありましたが、被害者の多くが「振り込め詐欺」というものを知っていながら被害に遭っている、という実情がわかりました。知っていても、自分の身に起きたときは、気が動転してしまうというのです。振り込め詐欺の手口が巧妙になり、なんとしても大金を振り込ませようとする犯行が相次ぎ、被害者は後を絶ちません。
泥棒や詐欺師たちは、他人の口座にある預金を手に入れようとあらゆる手口を行使します。「金庫の鍵=暗証番号を手に入れるには、本人から聞き出すこと」が一番確実です。そして、それ以前に「キャッシュカードを奪う」ことがまず前提となります。カードを奪う手口には、「スリ」や「置き引き」「ひったくり」「空き巣狙い」など色々あります。
ブランコスリを警戒せよ
今回のケースのように、飲食店などで椅子の背もたれやハンガーなどにかけた上着から財布をスリ取られる犯行は「ブランコスリ」と呼ばれます。揺れる上着から盗み取るので、同じように揺れるブランコから名づけられました。飲食店で何気なく脱いだ上着を掛けておいて、その中に財布を入れたままにしておくと、こうした「ブランコスリ」の被害に遭いやすいのです。飲食店だけでなく、列車内でやはり上着をフックなどに掛けたまま寝入ってしまうなどして、気がつくと財布を抜き取られているケースもよく起きています。列車では、動く密室ともいえるため、限られたその中での犯行は考えにくいようですが、たとえば、東海道・山陽新幹線などは、乗客定員が1300人程度です。スリ被害に遭ったとしても、千人以上の乗客を一人ひとり調べるわけにもいかないでしょう。仮に財布は見つかったとしても、現金やカード類は奪われてしまえばそれまでです。
なによりも、「キャッシュカード等は、自分の身から離さないこと」です。男性が財布の入った上着を椅子の背やハンガーなどに掛けるときは、財布は取り出しておきましょう。女性は財布の入ったバッグ等は自分のひざの上に置くなどして、目を離さないことです。「スリ被害」に遭わないためには、上着のボタンをしっかり留めたり、バッグを抱えるなどして防御することです。手元から離れた上着やバッグはいつでも「スリ」被害に遭うと考えておきましょう。財布が丸見えの、女性のトートバッグも要注意です。
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