女性の声の高さは若さ?
――(佐伯)「防犯」サイトで、以前「テレクラ」に関する記事を書いたのですが、その中で、実際の年齢を偽って若い女性のフリをするということを書いています。実際に、テレクラの「サクラ」のアルバイトをした女性に聞いたのですが、30代、40代でも20代のフリをするなんてのは当たり前らしいんです。このように「声」で年齢をごまかすことはできるのですね?(鈴木所長)それはあるでしょうね。実は、これは言っていいことかどうかわからないのですが、あの「117」の時報のお知らせをする声の女性がいます。非常に若くていい声です。ところが実際の年齢は○○歳近いんですよ。年は言わないで下さいと言われていますので書かないでくださいね(笑)。
――ええー? そんなお年なんですか!? へぇ。ところで、先生はテレクラのサクラの女性のように、実際は40歳代なのに20歳代のフリをした女性は分かりますか?
分かりますよ。普通の人は騙されるかもしれませんが。声よりも話の内容で年齢は分かると思いますし、声の質に注意すればすぐに分かると思います。
――女性の声が低くなってきているということですが。
これは体格的なものだと思いますよ。背の高い人は声が低く、背の低い人は声が高いものなので。最近は体格が良くなりましたから。しかも、女性が社会進出して、仕事をしている場合が多いですよね。それで、相手が男性だと声が低くなるんです。たとえば、「美容院」で働く男性と「理髪店」で働く男性は声のトーンが違うんです。相手に合わせるので、女性相手の人は声が高いんです。
――最近はそうでもないかもしれませんが、昔は会社などに電話すると非常に高い声、頭のてっぺんから出ているような声で「○○でございます」なんて応答していましたが。
これには理由があります。電話回線の質が非常に悪かったんです。従って高い声を出すと、電話回線が遠くでも、人間の耳は感度が高いのでよく聞こえるのです。だから1オクターブ上げていたんです。ただし、勘違いというか間違えている人もいます。1オクターブ高い声を出せば若く思われると。しかし、決して若い声ではないんです。単に高い声なだけで、むしろアンバランスなんです。電話で「ハイハーイ」と高い声で出る人がいますが、決して若くない。かえって年を取って聞こえるんです。
10歳若返る秘訣
――先日、テレビのインタビュー撮りでたまたま線路のそばで収録したのですが、音声さんに「もっと大きな声で」と言われてしまいました。元々あまり声が大きくないので、困ったのですが。このように収録の時に音声さんが困らないような話し方というのはありますか?あります。腹筋を使った腹式の呼吸をするといいです。おそらく今、腹式の発声をしていないんですよ。のどだけで話している。だから通りが悪い。アナウンサーは皆、腹式の発声をしています。
――では叫ぶような大きな声でなくても、腹式にすればいいんですね。よく演劇とか放送をやる人が「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」と発声練習をしていますが。
それでいいんです。それを一日に2分間やるだけでいいんです。ただし大きな声で。それをすると、相手に自分の言っていることが伝わりも良くなって、好感も持たれると思います。先日もNHKの「視点・論点」というのがありまして、私は「声にもおしゃれをして下さい」とお話ししました。
よく女性は口紅やファンデーションを塗ったり色々とお化粧しますよね。ところが声帯には何もしない。声にもやっぱりお化粧して下さい。そのためには水をたくさん飲んで下さい、肌と同じですから。肌をいたわるように声帯をいたわって上げて下さい。一番いいのは、うがいと水を飲むことなんです。そして腹式発声をしますと、10歳は若返りますよ。
――皆さん、頑張って若返りましょう♪