女の外出
「ゴメンね」(面目ない)
「ううん。いいの。気にしないで」
「キミがあまりにも素晴らしくて」(久しぶりすぎたな。ちぇ。でも、やさしいなぁ)
「フフ。大丈夫。まだ夜は長いし。あ、何か飲む?」
「水を飲みたいな」(よく気がつくね)
ミサキは床に落ちてしまっていたバスローブを拾い上げて羽織ると、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してグラスに入れてベッドまで運んでくれた。
「ありがとう」(こういうちょっとした気遣いがうれしいよな)
「ねぇ、私ちょっとコンビニに買い物に行ってきたいんだけど」
「買い物? 何?」
「女の子の必需品。ちょっと心配なんだ。用意してこなかったから」
「あ、そう。一人で大丈夫?」(ははぁ。アレが近いってことだな)
「もちろん。ちょっと待っててね」
「ああ。気をつけてね」(オレはのんびりしているよ)
ミサキは浴室に入ってシャワーを浴びたらしく、じきに洋服を着て出てくると、ベッドのK介に声をかけた。
「すぐ帰るから。ノックしたらドアを開けてね」
「わかった。待ってる。ゆっくりでいいよ」(その間に復活してるさ)
かすかにドアを閉める音がしてミサキが出ていった。K介は、ベッドでタバコを吸いながらボーっと考えていた。ミサキは財布と携帯電話だけを持って出たようでバッグがソファに残っている。ということは必ず帰ってくる。すでに関係が成立しているので、K介は彼女が帰ってくることを疑わなかった。(まいったな。情けない。久しぶりだし、こんなシチュエーションは刺激が強すぎる。しかし、まだこれからだ) ミサキの肢体を思い出して、次こそは彼女を征服しようとあれこれ想像していた。
どれほどの時間が経ったかわからなかったが、ドアが小さくノックされた。ミサキ以外にはあり得ない。バスローブを着てドアに近づくと、ドアスコープで確認もせずドアを開けた。だが、ドアの前に立っていたのはミサキだけではなかったのである。
【連載第5回】テレクラの甘い罠~深夜の訪問者 に続く
【連載第1回】テレクラの甘い罠~夫の言い訳
【連載第2回】テレクラの甘い罠~女からの誘い
【連載第3回】テレクラの甘い罠~シティホテル
【連載第4回】テレクラの甘い罠~インザルーム
【連載第5回】テレクラの甘い罠~深夜の訪問者
【連載第6回】テレクラの甘い罠~夜明けの苦悩
【連載第7回】テレクラの甘い罠~妻の覚悟
【連載第8回】テレクラの甘い罠~ヤツらの最後
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