多くは“少年”による!
図2 ひったくりの検挙人員の推移(平成5~14年)平成15年版警察白書 |
図2では、検挙人員のうち少年の占める割合がおわかりいただけますが、平成14年で見ると、約69%、実に約7割が少年によるものです。
また、“ひったくり”という言葉の語感が軽いというか、たとえば「強盗」「殺人」「恐喝」などといった言葉に比べると、ひらがなでやさしい文字ですし、「ちょいとひったくる」というようにイメージ的にどうしても犯罪レベルが低いかのような印象があります。その上、ひったくる瞬間まで被害者にはわからないことが多い、体に直接触れない、犯行は一瞬の出来事で、バイクなどでその場を去ってしまえばそれっきり…というわけで、罪の意識が低く、少年犯罪の多数を占めているのでしょう。
少年犯罪については、「捕まっても未成年だから名前も公表されないし」という意識を持つ少年たちもいるということで、また別の問題があるようですが、こと「ひったくり」に関しては、「たかがひったくり」ではなく、場合によっては被害者が死亡することもあるという非常に危険な犯罪行為です。「強盗致傷」「強盗致死」という罪になりえるのです。
“バッグ”を持っている人がターゲット!?
ひったくり犯罪の被害者に共通していること、それは「手提げバッグ」など、現金の入ったバッグやカバンを持っていたことです。とはいえ、女性は誰でもバッグに財布をいれているものです。つまり、女性なら誰でも被害に遭う可能性があるということなのです! 男性も現金や財布を入れたバッグを持っていれば、被害に遭う可能性があります。男性と違い、女性は財布などを身につけることはあまりしません。元々、女性の衣服には男性の衣服と違って“ポケット”が少ないことがまず第一にあげられます。ポケットにものを入れることで、ふくらんで見えてシルエットがくずれるということもあるのでしょうが、多くの男性が上着の内ポケットやズボンのポケットに財布を入れていることに比べると、女性は“バッグ”や“ポーチ”に財布を入れることが多いのです。その他、化粧道具やあれこれと携行するべき物品が多いので、どうしても女性に“バッグ”は必携品ということになります。
“スリ”より“ひったくり”!?
身につけている財布を奪おうとしたら、「スリ」行為として体に密着している財布を取らなくてはなりませんが、財布などの貴重品が入っている“バッグ”を狙えば、体に触れることなく奪うことが出来るのです。つまり、ひったくり犯人からすれば、その人が持っている現金、クレジットカード、キャッシュカードなどの入った財布が入っている“バッグ”を奪えば、一瞬のうちに現金収入が得られるということなのです。多くの人は、バッグを腕や肩に掛けただけ、あるいは手に持っているだけですから、そうした人が歩いていれば、バイクや自転車などで追い抜きざまにストラップに手をかけて奪い取ることができるということです。また、※自転車を利用している人も、前カゴにバッグをポンと入れただけでいるとやはり、追い抜きざまに簡単にバッグを奪われてしまいます。歩いている人よりも、身につけていないだけ、もっと奪われやすいといえるかもしれません。
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