防犯/スリ・ひったくり・置き引きを防ぐ

全国で毎日多発しているもっとも身近な犯罪 渡る世間に“ひったくり”

相次ぐ“ひったくり”犯罪。被害者の中には亡くなられた方もいます。被害者の大多数は女性ですが、男性の被害者もいます。他人事と思わず警戒を!

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

相次ぐ“ひったくり”事件! 全国で毎日、多発している犯罪の一つに「ひったくり」があります。多くの女性や高齢者、男性も被害に遭っています!

バイクで引きずられケガ!

東京都大田区に住む、16歳と17歳の無職少年4人が、昨年1~10月の間に約50人から、ひったくりや強盗傷害、自動車、バイク等を盗んで被害総額915万円に上る40件以上の犯行を重ねていた疑いで今月14日に逮捕されました。昨年7月に、川崎市内の路上を歩いていた飲食店経営の女性(53歳)から、バイクで現金200万円が入った手提げバッグをひったくった疑いです。その際、女性はバイクに引きずられ、頭などに全治2週間のケガを負いました。

また、やはり昨年10月に、品川区内の路上で会社員の女性(36歳)から、バイクを使って現金約6万円入りの手提げバッグを奪った際、抵抗した会社員を引きずって転倒させ、頭などに約10日間のケガを負わせた疑いもあります。逮捕された少年らは、バッグをつかんだ瞬間にバイクを加速させる手口で、少なくとも4人を転倒させるなどしてケガを負わせていたといいます。

男性もひったくり被害に!

今月13日、さいたま市内大宮駅付近の市道で、缶ジュースを買おうとしていた市内に住む男性(27歳)が、車購入資金310万円と預金通帳などが入った手提げバッグをバイクに乗った男にひったくられました。

車椅子からバッグを奪われた!

今月11日に、浜松市内で、障害者授産施設の所長をしている男性(51歳)が、電動車椅子で帰宅する途中、自転車に二人乗りした女子高生風の若い女が後ろから近づき、電動車椅子の物入れにあった現金14万円のほか、障害者手帳などが入っていたバッグを奪い去りました。男性は言語障害もあって叫ぶことも出来ず、精神的なショックで追いかけることも出来ませんでした。

ひったくり被害で死亡!

昨年11月、横浜市内の路上で無職の女性(56歳)が、バイクに乗った少年二人に現金3万円などが入った手提げバッグを奪われた上、転倒して頭蓋内出血、脳挫傷で5日後に死亡しました。この事件で都内の15歳と17歳の少年が強盗致死の疑いで逮捕されました。

以上の報道は全国で発生している「ひったくり被害」のごく一部です。

毎日、150人近くの被害者が!


図1 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成5~14年)平成15年版警察白書


ひったくりの「認知・検挙状況の推移」は図1でご覧いただくとおわかりのように、年々増加の一途をたどっています。平成13年以降は、年間5万件を越えています。平成14年の52,919件で見ると、一日平均約145人になります。「認知件数」とは、あくまでも警察が把握した数字であり、届け出がされない場合もあると考えられますから、実際には、一日に平均で全国で150件近くのひったくり被害が発生していることになります。

次ページでは、検挙人員に占める少年の割合がわかる図をご覧いただきます。


→多くは“少年”による! /バッグを持っている人がターゲット!?
→→警戒するコツ/あなたの一票/関連ガイド記事

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