誘いの会話
「そうか…困ったね」(おーい、それはオレと会いたいってことか~?)「あのぉ、私、ちゃんとしたお勤めの方じゃなくちゃいやなんです」
「というと?」
「身元のしっかりした方っていうか、ヘンな人だったらイヤだし」
「それは、ちゃんとした会社に勤めているかどうかってこと?」
「ええ。だって、もし会うとなったらちゃんとした人の方がいいし」
「そりゃそうだよね。まぁ、ちゃんとしたって意味がよくわからないけど、僕の場合、一応、名の知れた会社に勤めているけどね」(聞いて驚くなよ)
「ホントですか? 一流会社?」
「一流かどうかは別として、名前を言えば誰でも知っている会社だと思うよ」
「そうですか。名刺とか社員証とかあるんですか?って、失礼ですけど、もしウソだったらいやだから」
「もちろん持っているよ。見たい?」(それを確認するためには会うしかない。これから会えるかどうかこれでわかるな)
「あ、でも、今日はこれからご自宅に帰られるんでしょう?」
「さぁ、どうしようかな。キミ次第かな」(さて、どう答えるか)
「え、それって帰らなくてもいいってことですか?」
「うん。今日は一人だからね」(帰らなくてもいいのかなんて聞くってことは…)
「私、今夜は一人でいたくないんです」
(来た~~!)と、K介は思った。(これは、誘っているんだ。話した感じはごく普通のまともな若い女性だし、未成年でもないし、言葉遣いもまともだ。ちゃんとした家庭の子だな。それでも、無性に男と会いたいときだってあるだろう。一夜のアバンチュールをご所望ってわけだ)
K介は、体中に力がみなぎってきたような気がした。(さて、これからが勝負のしどころだ)と、そっくりかえって座っていたのを座り直して、どう話を持っていこうか、急いで真剣に考えることにした。
※アバンチュール(フランス語) aventure・(冒険の意〕危険な恋愛。恋の火遊び。
連載第3回テレクラの甘い罠~シティホテルに続く
【連載第1回】テレクラの甘い罠~夫の言い訳
【連載第2回】テレクラの甘い罠~女からの誘い
【連載第3回】テレクラの甘い罠~シティホテル
【連載第4回】テレクラの甘い罠~インザルーム
【連載第5回】テレクラの甘い罠~深夜の訪問者
【連載第6回】テレクラの甘い罠~夜明けの苦悩
【連載第7回】テレクラの甘い罠~妻の覚悟
【連載第8回】テレクラの甘い罠~ヤツらの最後
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