宇治小学校の事件から
『「業務に支障をきたす」ということで、4割の学校で警報装置のスイッチを切っていた』という事実は驚きです。確かに、子どもが通っても発報してしまう、ということはありえますが、ならばその問題点を改善、解決しようという姿勢が見られなかったことに、教育者としての資質、学校としての危機意識の低さに疑問と憂慮を感じるものです。
また、児童も交えての不審者の侵入を想定した避難訓練を実施していた学校は1割にとどまっています。実施していないのは「不審者役の人を見て児童が心理的ショックを受けかねない」というのが主な理由だとのことです。
しかし、「はんにん」と書いたゼッケンをつけたり、教職員が警察へは凶器を持った不審者の侵入ということで連絡をしたが児童らには「避難訓練」とのみ伝えて校外に誘導した、など工夫して実施していた学校もありました。
防犯研修と危機意識
「先生対象の防犯研修」をする学校も出てきてはいるものの、職員室につながる緊急電話を設置するなどの整備は進んでいないのが現状です。これは自校だけでなく他校の研修に相互参加するなどして、問題点を指摘しあうなどの積極性があるべきだと考えます。
文部科学省がまとめた小冊子「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」を読んでいる先生は、防犯講習会に参加した約170名のうち、わずか数名でした。
「事件が起きてから対策を施すのではなく、事件が起きないうちに事件が起きないように対策をするべき」なのですが、これはその学校や教員らの危機意識が問われていることです。「うちは大丈夫だろう」「このへんでは、そんな事件は起きないだろう」という根拠のない安心感が問題ではないでしょうか。
「一度も事件が起きていない学校が危ない←危機意識の浅薄さ」という構図があるのだと思われます。
→開かれた学校と安全の問題
→→事件が起きる前に