きっかけは“出会いサイト”
ある年の9月。一組の男女が“出会い系サイト”で知り合った。“援助交際”が目的ではない。同年代ということで意気投合したのだ。
互いに携帯電話のメールアドレスを交換して、いわゆる“メル友”になったのである。
少女は16歳の高校1年生“サヤカ”。相手は17歳の高校2年生“サトシ”だと互いに紹介しあっていた。
―なんかさー、新学期が始まってからどうもかったるいんだよねー。夏休みボケかなー(-。-)
―サヤカは夏に遊びすぎたんじゃないの?
―んなことないよー。サトシだって遊んだんでしょう? ( ̄▽ ̄)
―そうでもないよ。学校が始まったらけっこう忙しいし。
―そっかー、進学校のエリート学生だもんね。
あれ、でも彼女はいるんだよね? ( →_→)
―まあね。でも彼女とサヤカとは違うからね。サヤカはあくまでもメル友。心の友だちってとこかな。彼女には話せないことでも話せるしね。
―おぉー、うれしーなぁ。サトシはやさしいよねー。大人って感じ。私も友だちにも話せないことでも、サトシには話せるんだなー d(^-^)ネ!
―僕の理想なんだ。男とか女とかでなく、実際に会わなくても友だちになれる、なんでも話せる。そんな関係があってもいいし、男女間でも本当の友情は成立すると思うんだ。
―そうだよねー。もともとサトシがいいなって思ったのは、すぐに会おうとしなかったからなんだ。('-')(,_,) 男ってさ、すぐに会おうとかデートしようとかいうんだよね。なんか、ガツガツしてるっていうか、下心見え見えって感じでさ (ー_ー#) でもサトシは彼女がちゃんといるっていうし、絶対に会おうっていわなかったし。
―彼女は彼女。サヤカはサヤカ。サヤカとはずっと会わなくても友だちでいられればいいな、と思ってる。普通の高校生の女の子の友だち。異性の友だちがいてもいいだろ? 下心なしでさ(笑)
―ホント、ホント。私も男の友だちが欲しかったんだー。何でも話せる相手。同性だとかえって話せないこともあるし。会わなくても、メールで返事が返ってくれば安心するしねー。すご~く貴重な存在かも~ (^_-)~☆