どこででも発生
大切なパスポートが奪われる |
また、日本でも若い人が行くクラブなどで男性が女性にあやしい飲み物を飲ませて、抱きかかえるようにしてどこかに連れ去りレイプする、といったケースも少なからず起きているようです。
いつでも、どこででも、“睡眠薬強盗”“昏睡強盗”は発生しています。いずれも、見知らぬあるいは知り合ったばかり、それほど親しくはないといった相手に、飲み物や食べ物に混入された薬物に気づかず意識を失わされて被害に遭っています。
男性でも意識を失っては、たとえ腕自慢のタフガイだとしても、女が財布を奪うなどは造作もないことでしょう。男性が性被害を受けることはほとんどなくても、女性の場合は、現金や貴重品などまで奪われたあげく、レイプされるなどの性被害をも招くという実に恐ろしい事態なのです。
準強姦の“準”の部分
ちなみに、“婦女暴行”とは“強姦”“レイプ”のことですが、“強姦”ではインパクトが強いということで、“婦女暴行”という言葉にしているというマスコミ用語です。しかし、“乱暴”や“暴行”では、真実が伝わりにくいということもあり、最近では新聞やその他の媒体によっては、はっきりと“強姦”と記載しているケースも増えてきているようです。■刑法 第22章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪
第176条(強制猥褻)
[前] 13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつの行為をした者は、6月以上7年以下の懲役に処する。
[後] 13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
第177条(強姦)
[前] 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、2年以上の有期懲役に処する。
[後] 13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
第178条(準強制猥褻及び準強姦)
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をし、又は姦淫した者は、前2条の例による。
第179条(未遂)
前3条の罪の未遂は、罰する。
第178条に述べられているように、お酒や薬物などで意識をもうろうとさせたり、意識を失わせて抵抗困難な状態にして襲うことは“強姦罪”に準じる、つまり“強姦”と同様に罰せられるということです。
被害に遭わないために
これは、見知らぬ人あるいは知り合って間もない人に飲み物や食べ物をすすめられても、はっきりと「No!」というしかありません。何が何でも断る!となると、せっかくの人間関係の構築がうまくいかないということもあるでしょうから、やはり「状況判断」をすることが最重要事項でしょう。●相手は信用するに足る人物か?
●自分のお金や体を奪われる可能性があるかどうか?
●こちらが一人きり、あるいは女性だけ、男性でも一人きりやごく少人数など、数で負けていれば危険な状況と判断しましょう。
※「肌がきれいになる」「体調がよくなる」「ビタミン剤だから」などそれらしいことを言ってあやしい薬をすすめられて「胃が悪いので」と断ると、「これは胃にもいいから、だからこそこれを飲め」といわれかねません。
「薬にはアレルギーがあるので、病院でもらう薬以外は飲めません」と断りましょう。
そこまで無理に飲ませようとしたら、その時点で速攻で逃げることです。アルコールなども「宗教的な理由で一切飲めない」など、「ウソも方便」です。絶対に飲まないように拒絶するための口実を考えておくといいでしょう。
もちろん、そんな状況におちいらないようにすることが何よりも大切であることは言うまでもありません。
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