警察官?のような服装の男
平成14年7月19日金曜日午後1時過ぎ、静岡県内のとあるインターチェンジ交差点近くの歩道で、警察官のような服装をした男を、車でパトロール中の警察官が見つけ職務質問しました。
男は19歳の警備会社社員で、インターネットで購入した警察官の模造制服、階級章、ヘルメットなどを着用しており、
軽犯罪法違反の疑いで補導され、8月1日に静岡家庭裁判所に書類を送検されました。
「警察官になりたかった」
「山梨県から来る暴走族を見張っていた」
「警察官の制服を着て立っていれば、少しは静かになるかと思った」
などと供述しています。
模造制服は本物よりやや水色がかっており、「毎日着ている人が見れば、すぐにおかしいとわかる」とのことです。
軽犯罪法には、
第1条[軽犯罪]左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
として、34項目になる罪があります。そのうち、今回の少年が問われるのは、15項の「称号詐称、標章等窃用の罪」になります。
15 官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作った物を用いた者
官公職とは、国家公務員の官名、職名、または地方公務員の職名の総称を意味します。
「法令」は、わが国の法律、条例、規則などを含み、「法令により定められた制服」は、警察官、自衛官、消防士などの制服をいいます。
「その他の標章」とは警察官等の帽章や、階級章、バッジなど官公職員であることを特定するために衣服等につけられるもので、法令の定めのあるものに限定されます。
「詐称(さしょう)」の表示形式は問わず、口頭でも書面でも、また、地位、資格がないのにもかかわらず、自分自身が称号を有しているかのように振る舞うだけでも、「詐称」に該当します。
たとえば、本当は違うのに誰かに
「警察の者です」
「私は弁護士です」
と言ったりすることでも、この罪が成立します。
2p.さらに、