荒井さん、ご協力ありがとうございました。
おっしゃるとおり、金融機関だけでなくあらゆる事業所に対して指導していくべきだと私も思います。
平成12年6月に栃木県宇都宮市の宝石店内で男がガソリンを撒いて放火、女性従業員6人が死亡した事件から約11カ月で、このような事件がまた発生していることは非常に残念です。
このケースは拙著『父が娘に読ませたい「安全作法」の心得』でも、ワーストケースファイルとして取り上げており、「何かあったときにすぐに脱出できるよう避難経路を確保しておく」ことが事件を未然に防ぐためにできることの一つとして記載してあります。
宝石店では店の裏側出口がふさがれており、出入り口は正面の一カ所だけでした。宝石店は1階、消費者金融会社は3階でしたが、何階であっても内装等を工夫してできるだけ最低2カ所の出入り口つまり避難経路を確保したいものですし、建物の構造上それがむずかしければなおのこと、これらのケースを参考にして社員全員で避難方法などの対策を検討しておくべきでしょう。
とくに強盗事件の標的にされやすい金融機関、高額商品を扱う商店、多額の金が動く事業所などでは今後ますます「強盗」だけでなく、さらに「放火」への対策を追加補充した安全マニュアルの作成が急がれます。
また、放火されるのは事業所だけではありません。5月12日には岡山県で17歳少女による自宅放火事件で母親と叔母が焼死しています。このことからも、事業所に限らず自宅等の住居においても、対策を考えておくことが必要です。
今回ご協力いただいた「防災」ガイド荒井さんの、この事件に関するクローズアップ記事「ガソリンの危険性」もぜひ、ご参照ください。
オールアバウトジャパン「ガソリンの危険性」
※平成14年3月4日にこの事件の被疑者が逮捕されました。
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