料理の前に包丁の正しい使い方を知ろう
包丁の使い方・持ち方・手入れの仕方を知ろう
料理人は、包丁を使うときに姿勢を正しくしないと、力が入らず、疲れて、いい仕事ができません。良い姿勢は、料理技術が上がるにつれて自然に身に付くというものではないので、姿勢に変なクセがつく前に、正しい姿勢を知っておく必要があります。家庭料理人である私達も、姿勢を正してまな板にむかい、正しい持ち方で包丁を握って料理をはじめましょう。そして、料理が終わったら、包丁とまな板を綺麗にして、明日に備えましょう。
包丁を使う時の正しい姿勢
|
身体を調理台から10cmくらい離し、右足をいく分後ろにひいた姿勢をとる |
身体を調理台から10cmくらい離してまな板にむかう。右足を自然に開いてこころもち後ろにひき、腰を少しひいて力をいれて上体をささえる。 肩に力を入れないで、両腕を素直に前に出して切る。目は常に切る材料を見つめる。調理台によりかかって切ってはいけない。
包丁の正しい持ち方
■軽く握りこむ持ち方
|
親指、人さし指、中指で柄の付け根近くをしっかり握り、あとの2本はそえている感じ いちばん多く使う持ち方 |
一般的な持ち方で、親指、人さし指、中指で包丁の柄の付け根近くをしっかりと持ち、あとの2本の指はそえている感じ。手の平と柄の間は気持ちあいている。切るものに刃先をあてがい、スーッと向こうへ押すようにする。この持ち方では刃全体は使わず、刃先の方から刃の2/3くらいまでを使う。
■強く握りこむ持ち方
|
柄を指と手の平全体でしっかり握りしめる 包丁を打ちおろして切るときの持ち方 |
硬い素材を切るとき、包丁を打ちおろして切るときの持ち方で、柄を指と手の平全体に力を入れて握りしめ、目標を定めて打ち下ろす。このとき、包丁の刃の手元の方を使う。魚のアラを切る時などに用いられる。
■人さし指をかける持ち方
|
人さし指伸ばして包丁のミネにのせて握る |
ミネに人さし指をのせて握る方法で、刃先の方向がきまる。刺身のそぎ切りや、食パン、肉を大きく薄く切るとき、やわらかいもの、すべりやすいものを切るときに使い、手前に引くように切ることが多い。
■ぺティナイフの持ち方・使い方
|
皮むき、芯とりなどの細かい作業する時はぺティナイフを使う |
皮のむき方は、左手で素材をしっかり持ち、右手の人さし指の第二関節の裏辺りでぺティナイフの背を押して皮をむき、同時に親指で皮を右側に送り出すようにする。左手は右手の動作を介助するように、軽く押し加減にする。
包丁の動かし方
一般的に、魚や肉は引き切りといい、包丁を手前に引いて切り、野菜は向こう側に押すようにして切る。
尚、中国料理の切り方は、押し切り、引き切りといった方法ではなく、重い包丁で落とし切りにするのが主。中国料理のまな板が分厚いのはそういった理由から。
まな板の上の左手
|
左手の指を曲げて材料をしっかり押さえる |
まな板の上の左手は、指を曲げて材料を押さえ、つき出た中指の第一関節に、右手の包丁の側面をあてがう。左手首はなるべく下げ、まな板につけるようにすると安定する。
切り方の要領
切る材料は、十分洗ってからまな板の上において切る。 繊維(すじ)にそって切ると形はくずれないが、食べる際はかたい。反対に繊維に逆らって切ったものはくずれやすいが、食感はやわらかい。 又、野菜をシャキッとさせたいなら、繊維に直角に、しんなりさせたいときは平行に切る。このように、料理に合わせた切り方を考えて行なう。
包丁の手入れの仕方
■毎日の手入れ
|
使ったあとはすぐに洗う |
使用後は、塩分、酸分、油性のよごれを洗い落とし、最後にコップ1杯ほどの湯をかけて、乾いた布巾で水気をしっかりふきとる。柄も忘れずに洗う。まな板の上に包丁を平らにのせてクレンザーで磨くのもよい。(大根の切れ端にクレンザーをつけて磨くのもあり。)
|
水気を十分に拭き取る |
いずれにしても水分があればさびるので、水気はしっかりふき取って、乾いた場所にしまっておく。2~3日以上使わない場合は、植物油をごく薄くぬってから、乾いた布巾に包んでしまう。
■週に一度の手入れ
|
簡易とぎ器なら、気軽にとげる |
切れ味を保つためには週1回はとぎたいもの。とぎ終わったら、野菜の捨てる部分などで試し切りをして、金気臭を取り除いてから使う。 鋼製包丁の砥石には、荒砥、中砥、仕上げ砥があるが、家庭では中砥があれば十分。画像のような簡易とぎ器なら、間にはさんで手前に引くだけなので気軽にとげる。
【関連記事】