Q.「チャーハン症候群で死亡してしまった人がいる」って本当ですか?

Q.「『チャーハン症候群で死亡してしまった人がいる』って本当でしょうか? チャーハンは強火でしっかり炒めるので、食中毒にはならないと思っていました。強火で加熱してもダメだとしたら、どう食中毒を予防したらいいのか分からず不安です」
A. 本当ですが、死に至るケースは極めてまれです。正しく理解しましょう
結論からいえば、「チャーハン症候群による死亡例があること」は事実です。
そもそも「チャーハン症候群」とは、セレウス菌による食中毒の俗称です。正式な病名ではありません。チャーハンだけが原因となるわけではなく、ピラフ・パスタ・焼きそばなど、穀物を使った料理全般で発生する可能性があります。主な症状は下痢と嘔吐で、命にかかわる例はごくまれです。しかし実際に死亡報告はありますので、珍しいケースとはいえリスクを軽く見るべきではないでしょう。
加熱した食品なら安全と思われそうですが、セレウス菌の最大の特徴は「芽胞」を形成することです。芽胞は植物でいう「種子」のようなものです。堅い殻を持ち、加熱・乾燥・紫外線・消毒用エタノールに強い耐性を示します。栄養細胞の状態であれば100℃で10分間の加熱で大部分が不活化しますが、芽胞の状態では100℃で30分間の加熱にも耐えられ、消毒用エタノールも効きません。強火でチャーハンを炒めても、セレウス菌が芽胞の状態であれば死滅しないのです。
調理後に室温で長時間放置されると、芽胞が発芽・増殖し、毒素を産生します。特に28~35℃は菌が最も活発になる温度帯であるため、夏場はリスクが一段と高まります。また、セレウス菌が増殖しても食材に特段の腐敗臭は生じないため、においで安全性を判断することはできません。再加熱しても芽胞があれば再び増殖するため、「温め直せば大丈夫」という考えも誤りです。
予防の基本は「セレウス菌を増殖させないこと」に尽きます。
- 調理後はすぐに食べる
- 作り置きは急速冷却してから保存する
- お弁当も保冷剤や冷蔵庫で素早く冷やしてから持ち運ぶ
という3点が重要です。2023年には、国内の食品会社の弁当からセレウス菌が検出され、全国で554人が腹痛や嘔吐を発症する大規模な食中毒事故が起きています。身近な脅威として認識し、しっかりと予防していくことが大切です。
さらに詳しく知りたい方は、「『チャーハン症候群』とは? セレウス菌による食中毒の原因・症状・予防法」をあわせてご覧ください。







