バルセロナ/バルセロナの観光・世界遺産

2026年完成予定!サグラダファミリアの見所と予約方法

毎年何百万人もの人々が世界各国から訪れる、スペインきっての名所、サグラダファミリア。日本語に訳すと「聖なる家族」という意味でバルセロナが誇る建築家アントニオ・ガウディによる設計です。近年急ピッチで工事が進められており、見所も増えています。今回は見所やチケットの購入・予約方法、入館料や営業時間などをご紹介します。【2018年1月更新】

秦 真紀子

執筆者:秦 真紀子

スペインガイド

死ぬまでに見たい世界遺産 サグラダファミリア

全景

サグラダファミリア前の公園内から全景が入る写真が撮影できる

バルセロナが誇る建築家アントニオ・ガウディが、生涯をかけて取り組んだ未完の教会、サグラダファミリア。日本語に訳すと”聖なる家族”。言わずと知れた、バルセロナを代表する観光スポットです。

1883年から、路面電車に轢かれ亡くなる1926年まで、棲家をサグラダファミリア内に移してまで、ガウディがエネルギーを注いだ大作。地下鉄サグラダファミリアの駅を上がれば、あなたを見下ろす威厳あるサグラダファミリアに圧倒されるはず。この記事では、そんなサグラダファミリアの見所を押さえてていきましょう。

完成予定は2026年!なかなか完成しない理由は?

今なお建設が進むサグラダファミリア

今なお建設が進むサグラダファミリア

これまで、完成される日は来ないかもしれない……と言われていましたが、一転して近年は2026年完成が目標だと言われ、現在地元スペインを中心とする200名以上もの人が工事に携わり、急ピッチで建設が進められています。2010年には祭壇のあるメイン部分が完成したため、ローマ法王を招いてミサが行われました。

なぜ130年以上も建築中なのかという理由は、ガウディの設計図などが燃やされてしまったこと、予算の問題、ガウディのデザインが細部まで綿密で建築家のコンピュータープログラムも特別なものであるから、などいろいろな憶測がされています。

入場チケットの購入・予約方法

サグラダファミリアの入場人数には制限があり、直接チケット売り場に行ってもすぐに入れるチケットを購入できないことが多いです。下手をするとその日のチケットはもう売り切れ……という事態にもなるので、公式サイトから事前にチケットを購入しておくことをおすすめします。

公式サイトはこちら>>>サグラダファミリア

まず希望のチケットを選択。(塔への入場券付き、ガイド付きなどさまざま)日にちと枚数をチェックして、塔に上る場合は下のほうに、生誕の門の塔か受難の門側か選ぶボタンがあるので、チェック。その下で時間を選択。希望の日にちと時間に訪問できるよう、余裕を持って購入しましょう。次の画面で個人情報を記入して完了です。

事前に購入した場合は、生誕の門側の入口へ。バルセロナでは2017年にテロがあったこともあり、ここでは空港のような厳しい手荷物検査があります。あらかじめ荷物は一つにまとめて、上着も脱いでおくとスムーズです。前売りチケットは印刷したものか、スマホの確認メールの画面を見せます。

サグラダファミリア観光は、塔に上ることも考えると1時間30分は見ておきたいところなので、もしサグラダファミリアに着いたときに長い行列ができていたり、どうしても時間がない場合は、外から生誕、受難の門を眺めればいいと思います。しかし聖堂がきれいに完成しつつある今、以前よりも中に入る価値はあるかもしれません!

その他の世界遺産はこちら>>>

まるで森のような大聖堂

礼拝堂

高い天井の白を基調とした空間は、神聖な雰囲気

子供の頃から自然を敬愛していたガウディは、教会の厳格な雰囲気を和らげるために、聖堂部分を森のようにイメージしました。丸い天井を上手く支えられるよう、柱を枝分かれした木々に見立てたので、聖堂内はまるで白い杉林のよう。

花形にくり抜いた窓にはめ込まれた色彩豊かなステンドグラスは、自然光を受けて万華鏡のように輝いています。私が初めてサグラダファミリアを訪れた1990年代は、ほとんどただの工事現場でしかなかったのですが、今は紛れもなく神聖な空間。一度訪れたことがある人がリピートしても楽しめるのも、建築が進行中のサグラダファミリアならではでしょう。

塔からオブジェを鑑賞しよう

生誕の門側の塔から見える塔の装飾

生誕の門側の塔から見える塔の装飾

サグラダファミリアには、生誕の門と、入り口側の受難の門という2つの門があり、それぞれに約100メートルの4本の塔があります。生誕の門なら隣接する2本に、受難の門なら1つの塔にエレベーターで上ることができます。生誕の門の塔は下りは階段ですが、受難の門はエレベーターで下れます。塔からは街の景色が見渡せるだけでなく、下からではよく見えない塔についたオブジェの彫刻物がすぐ真近に。巻貝をイメージした塔内の螺旋階段も体験できます。

ガウディは、事故に合う直前に、生誕の門の4つの塔の頂上についた丸い飾りを見て、「バルセロナの港に着く船乗りが、バルセロナの土地で最初に目にするものだろう」と言ったそう。事実、この塔からは遥か港までしっかり見渡せます。塔は全部で18本できる予定。

塔へ上る場合ですが、残念なのは強風などお天気次第で上ることができなくなります。同じ日でも時間によって急に中止になるので、運にまかせるしかないですね。

相対する2つの門に注目!日本人の彫刻家も活躍

受難の門にあるジュセップ・マリア・スビラックの彫刻。1987年からサグラダファミリア建築に携わる

受難の門にあるジュセップ・マリア・スビラックの彫刻。1987年からサグラダファミリア建築に携わる

入り口と反対側にある生誕の門は、唯一ガウディ生前に大まかに仕上がったパート。イエスキリストが生まれた日の様子や、父と大工の仕事に励むキリストなどが門一面に繊細な彫刻で表されています。サグラダファミリア全体に少しずつ取り組むのではなく、まずこの部分を仕上げたかったガウディの意気込みが感じられるはず。薄黒く変色した壁の色が、年月の経過を物語っています。

さて、この世界的に有名なサグラダファミリアの製作に携わる日本人彫刻家がいるというのは皆さんご存知でしょうか? 同胞の者として誇らしい限りですね。この彫刻家・外尾悦郎(そとお えつろう)氏が作った音楽を奏でる天使たちの彫刻が、生誕の門に飾られています。生誕の門の扉も外尾氏の作品です。

対する受難の門は、生誕の門と対照的にとってもシンプル。ジョセップ・マリア・スビラックという有名アーティストの直線的なシンボルのような彫刻で飾られています。抱擁している像の横には16のマス目に異なる数字が描かれたものがあります。マス目の4つの数字を足すと、なんと310通りで33というキリストが亡くなった歳の数字になるとか。

ガウディ博物館でサグラダファミリアの歴史丸分かり

ガウディ博物館

ガウディとサグラダファミリアに興味が湧いたら博物館もしっかり見学したい

受難の門の右側から地下に入ると、そこはガウディの博物館。火事で焼失したため、ガウディが描いた設計図はありませんが、サグラダファミリアの設計工事の様子を年代順に追った写真や、ガウディならではの手法で、重力にまかせて均等な配置にするために作った懸垂型の模型などが飾られています。博物館の一角には、サグラダファミリアの細部が英語、スペイン語、フランス語で説明されるオーディオ施設があり、また実際に作業が行われているアトリエ内も窓ガラス越しに見られます。サグラダファミリアをより詳しく知りたいなら必見。

受難の門の右側にあるお土産物店は、市内のミュージアムショップの中でも品揃えが豊富。ガウディ作品の写真集から、アクセサリー、文房具まで何でも揃いそう。

また受難の門を出て左前にある小さな建物もお見逃しなく。小学校だった建物で、内部は当時の教室が再現されています。

完成予想図

完成予想図は、模型としてサグラダファミリア内の生誕の門の前で見られます。さらにミュージアム内のオーディオスペースでも解説されています。

また、公式サイトの動画でも、完成予想図をみることができますよ。




<DATA>
Sagrada Familia(サグラダファミリア)
住所:Mallorca 401(Gooogleマップ
TEL:93 207 3031
開園時間:9:00~20:00(10~3月は~18:00)12月25、26日、1月1、6日は~14:00
入館料:18ユーロ(塔へ上る場合オーディオガイド付き35ユーロ)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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