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いかけやさんに学ぶ"大切に使う"というエコ(4ページ目)

いかけやさんを知っていますか? 江戸時代から昭和30年代頃まで鍋や釜の修理をしてくれた職人さんのことです。そのいかけやさんが現代に復活していると聞き、訪ねてみました。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

広がるといいな! リペアしやすい社会のしくみ

まな板
まな板を削り直しています。びっくりするくらいにきれいな木肌が表れました。
環境問題への関心が高まり、3Rも定着した感があります。でも、3Rじゃ不十分、5Rや7Rにした方がいいという意見もあるんですよ。そのときに入ってくる“R”の1つが、Repair(リペア)。つまりは修理することです。修理して大切に使うことも“エコ”なのです。

「修理すればまだ使えるのになぁ。」
と思いつつ、修理する場所がない、修理してもお金がかかるなどの理由で捨てざるを得ない物って多いんですよね。それを気軽に修理してくれる場がご近所にあるのは本当にうらやましい。一度壊れたものだって修理すれば、愛着もわき、さらに大切に使おうという気持ちになりますものね。

こういった気軽に修理を依頼できる場があちらこちらにできたり、壊れても修理しやすいような物をメーカーが作ってくれたりして、リペアしやすい社会のしくみが広がると、ますます地球にやさしくなるのになぁと思うガイドです。

壊れた物とどう付き合う?

庖丁研ぎ
庖丁研ぎの依頼も多く寄せられるそうです。ていねいに時間をかけて研いでくれます。
ただし、ここは板橋区の事業の一環として行っています。そのおかげで修理費も数百円と激安です。
「個人的に修理を受けたらどのくらいの価格なら、採算が合いますか?」
と聞いてみたところ
「う~ん、どうかな。いずれにしても、この値段じゃ絶対無理だね。」
と笑っていました。そりゃそうですね。今の時代、修理して使うって実はとても贅沢なことなのかもしれません。

修理にも手間やお金がかかることを思うと「修理をして使う」ことにも限界があるのも確かです。でも、それは、個々人が、物とどう付き合うか、物の価値をどうとらえるによるのでしょう。

お金の問題じゃなく、修理してもずっと使いたい物は修理して長く使う。手間暇かけてまで修理しなくてもいいと思えるなら、潔く捨てる。あるいは「壊れて修理したくなるくらいのものしか買わない」という考えも“あり”ですよね。

そうやって、自分なりの指針を持って物と付き合っていけるといいなと、今回、取材を通して改めて考えました。

 
【現代のいかけやさん】
東京都板橋区前野町4-6-1/TEL03-5970-5001 FAX03-5970-2255
月曜日・水曜日・土曜日の午前9時30分~午後4時30分 最終受付は午後4時まで。休館日(毎月第3月曜日、祝日の場合は直後の平日になります。年末年始12/29~1/3、成人式)

※修理依頼は、郵送でも受付けています。その場合は必ず電話で詳細を確認してください。

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