お金をかけずに老後を楽しむ活動をしている人をガイドが取材！
老後に時間を持て余し「つまらない」「孤独」と感じながら過ごす人がいるのではないでしょうか。老後生活は使えるお金が限られてきます。人との関わりを求めて、習い事やサークル活動をしてみたけど「会費が負担になり、やめてしまった……」という話も耳にします。一方で大きなお金を使わなくても参加できる活動もあります。お金をかけずに楽しい老後を過ごす活動をしている人に、ガイドが取材をしてお届けします。
今回は、月1000円で参加できる富山県の「笑いヨガ」サークルを取材しました。「笑いヨガ」とはどんなものなのか、笑いヨガを広める「ラフターアンバサダー」として活動する沼田淑美（ぬまた よしみ）さんにお話をお聞きしました。
シニアが気軽に楽しめる「笑いヨガ」って何？
老若男女、誰もが楽しめる「笑いヨガ」ってどんなエクササイズ？
――笑いヨガとはどんなエクササイズですか？沼田さん：笑いヨガは、1995年にインドの医師マダン・カタリアと妻マヂュリー・カタリアによって考案された、ヨガの呼吸法に「笑い」を組み合わせた笑いの体操（笑いの健康法）です。老若男女、誰もがスグにできるエクササイズです。
マダン・カタリア医師が「笑い」に注目したのは、「笑い」がさまざまな健康効用をもたらすためです。とくに「笑う」ことで、自然な「腹式呼吸」ができるようになります。「腹式呼吸」は多くの酸素を体に取り入れることができるため、心身ともにすっきり元気になります。
また、笑いは作り笑いでも本当の笑いでも、身体の健康効果は同じであることが科学的に証明されています。
実際、笑いヨガに参加して、大勢で「わっはっはっ」と大声で笑うのですが、「気持ちがすっきりした」「来てよかった」という方は多くいらっしゃいます。
――どんな方も、最初から大声で笑うことに抵抗なく加われますか？
沼田さん：「笑い」は人間が持っている感情表現なので、できない人はいません。女性の方は、あまりこだわらずみんなと一緒に笑う方が多いです。一方、男性の方は、照れくさいのか、または、今まで属していた組織や立場などでむやみに笑うことは不謹慎とされる環境にいたためか、笑うことに対して苦手な方もいるようです。
とはいえ、様子を観察していると、笑うのは嫌ではなさそうですよ。最初は、お顔を少し緩める程度ですが、だんだん柔らかな表情になり、「はっはっはっ」という声も出してくれるようになります。控えめながら頑張って笑ってくれているのを見るとうれしくなります。
笑いヨガでは、みんなで「わっはっはっ」と大きな声で笑いながら、軽い運動もします
1回あたり1時間ぐらいの笑いヨガのワーク・基本的な流れと参加料金は？
――笑いヨガのワーク・基本的な流れと参加料金を教えてください。沼田さん：最初は「ウォーミングアップ」です。簡単なストレッチや手拍子、リズミカルな動きで体をほぐします。
次は、「本格的な笑いのエクササイズ」。その時の気分、ひらめきにあわせて、旅先、ショッピング、動物園などのいろんなシチュエーションを設定して、いわゆる「ごっこ遊び」をします。
その際、参加者はお互いをラフターネーム（笑いヨガでのあだ名）で呼び合うことで童心に帰り、伸び伸びした気分になってもらいます。
ごっこ遊びの合間に、お互いに目を合わせたり、「わっはっは」と笑ったり、ハイタッチ、握手をしたりなどを適宜挟みます。また、音楽に合わせて歌ったり踊ったりを挿入することもあります。さらに、動きと動きの間に深呼吸や腹式呼吸を取り入れる「ヨガ呼吸」も忘れず行います。
最後は「リラクゼーション」。瞑想や軽いストレッチをして、高まりすぎた気持ちをクールダウンします。
ワークは1回あたり約1時間。1回あたり500円ですが、月4回参加される方は1000円（1回250円）です。※かかる時間や費用はサークルによって異なります
シニア世代が笑いヨガをする魅力は？
――シニア世代が笑いヨガに参加する魅力はどんなものがありますか？沼田さん：趣味のサークルになると、それなりにマスターしないと面白くない。このくらいは覚えないといけないなど、習い続けるには努力も必要です。
しかし、笑いヨガは「ただ笑うだけ」。笑いは誰にでも備わった感情で、できない人はいません。上手、下手もなく、とても簡単です。特別な道具や経験は不要で、誰でもスグに始められる点は魅力だと思います。
また、笑いヨガは、グループワークですので、知らない人ともスグに打ち解けます。一人暮らしの方も参加されていますが「気持ちが明るくなった」「孤独を感じなくなった」と仰ってました。
笑いヨガでは軽く運動もしますが、激しい運動ではないため、体力に自信がない人でも安心して参加できます。
笑いヨガにご参加の皆さま
笑いヨガを始めるときはどうするの？
――笑いヨガを始めるには、どうすればよいですか？沼田さん：笑いヨガに参加するときは、NPO法人ラフターヨガジャパンのHPの中にある「認定講師を見つける」というページから、地域の認定講師を見つけるとよいでしょう。
ちなみに、私が主催するクラブは、北陸エリアをクリックすると確認できます。
まとめ
笑いヨガは、日常の中で楽しく健康を維持する方法として非常に効果的です。シニア世代の皆さんも、このユニークな運動法を通じて、心も体も元気に保ちましょう。沼田淑美さんのプロフィール
ラフターヨガ インターナショナルユニバーシティ認定ティーチャー。富山県で「笑いヨガ」を広める「ラフターアンバサダー」として活動。沼田淑美さんは、2016年より「笑いヨガ」講座を開催。現在までほぼ月4回ペースで開き「講座回数380回」を重ねるベテラン講師。LINEで「よしみと笑おうLINEラフタークラブ」を主宰。朝（9：50～10：00）・夕方（17：40～17：50）の2回、LINEをつないで10分間笑うだけの時間を設け誰でも参加可能。シニアの方々が、心身のバランスを整えるための「笑い」を生活に取り入れてもらえることに情熱を注いでいます。沼田さん自身、笑いヨガを始めて「年齢に関係なく人生は楽しめる！」「やりたいと思ったことはチャレンジする」自分になったとのこと。
