樂習のすすめ
英語ってね、急に進歩することはないかもしれないけれど、続けていれば必ず伸びるものなんです。15分の間に皆さんに楽しく英語を学ぶということを体験してもらい、皆さんを後押ししたい。これをきっかけにさらに続けてもらえばと、そんな感じで番組作りをしているんです。
英語学習、僕は、「楽しい」という字を書いて「楽習」(がくしゅう)と呼ぶことにしているんです。楽しいという漢字もにぎやかな雰囲気のある「樂」の字を使います。「樂習」 ‐ どうでしょうね?英語の学習そのものを樂しんでしまいましょう。
人生は舞台!英語を使う「現場」を手に入れる
英語が使える「現場」を多く持てるといいですね。人生を舞台だと考えてしまいましょう。例えば、向こうから歩いてきた外国人が英語で道を聞いてきたとする。そんなに滅多にあることではないかもしれないけれど、人生には、こうやって、いきなり役柄をもらうこともあるんです。今まで溜めてきたものを即興で出す「現場」です。特に英語を使う舞台は国際舞台です。これは外交官やビジネスパースンだけのものではありません。英語を使えばそこが国際舞台なのです。できるだけたくさんの「現場」を手に入れると会話力の伸びも大きくなるでしょう。お金に余裕のある人は、英会話学校に行けば、いくらでも「現場」が手に入る時代になりました。別にそんなにお金をかけたくない人は、友達同士で英語を話すサークルを作ってもいいですね。もちろん、自分ひとりで会話を音読するような荒業というか、スタントをやって、「現場」を "クリエート" してしまう ―― これは基本の基本です。
英語は間違って当然!とにかく口から出す
実は、僕は、*MP(モデル・プロダクション) の第一期生なんです。この団体に入って英語を話す機会を多く得、話す勇気と会話の楽しさを学んできました。ひとことで言えば、演劇を通して英語を学ぶ団体とでも言ったらいいのでしょうか? MPの活動は、すべてを英語で行うんですよ。それこそ、劇を演じるときだけでなく、友達とのたわいもないおしゃべりもです。
わからなくても、とにかく何か英語を口から出さないと、前へ進めない。ここで、開き直って、間違ってもかまわないから、とにかく英語を口にする、ということを覚えましたね。
即興で英語劇を
それまで大学のキャンパスで英語で演劇を習い上演していましたが、MP の創始者 Richard Via 氏に improvisation (即興)というものをやらされたときは参りました。彼はただ、ご出身のブロードウエイのやり方を移行しただけのつもりだったのかもしれませんが、その場でシチュエーションと自分の役をもらって、相手と、ある場面を作っていくのです。しかも、英語という外国語でやるわけですから大変でしたね。外国に行ったことのない自分、英語はまだまだの 20歳の自分が、精一杯、場面に身を投じ、役の持つ目的を遂行しようと頑張っていました。これは実践に役立ちましたね。人生、深い意味で、インプロ (improvisation 即興)ですから。番組で 「アナザーシチュエーション」 というコーナーがありますが、こうしたスリルを、みなさんに疑似体験してもらいたいという意図もあります。
これは蛇足ですが、当時は外国物というと、演技者は皆、髪を赤や金にしたり、かつらやつけ鼻をすることが多かったのですが、Via氏は 「自前の日本の髪と鼻で」 というポリシーだったので、驚きでした。それが逆に 「役になりきる」 ときの 「個」 を意識させてくれた点、彼に感謝しています。
下の写真は、遠山顕先生が高校のときに日本語でも音読していた対訳のハムレット、手探りでやみくもで自己流でしたが、音読しながら朝になることもあったそうです。
対訳のハムレット |
まったくの偶然だったのですが、遠山先生の取材と前後して、MPの活動 も取材させていただきました。こちらをクリックしてみてください。
間違ってもかまわないから、とにかく英語を口から出してみる、そこから会話は始まるようですね。勇気を出して、英語を話してみようではありませんか。そうしているうちにきっと英語が口をついて出るようになるはずです。
では、遠山先生ファンのために、NHK以外のお仕事、さらには、先生のプライベートもちょっと覗いてまいりました。⇒⇒⇒