観客の笑いをさそい、劇場が一体となった瞬間

イタリアなまりの英語を
披露したベラスコ役の
加藤倫平さん
主役の坪井友香さん、望月鉄也さんの演技は文句なしの素晴らしいものでしたが、もうひとつの立教の見どころは、ベラスコという役柄を演じた加藤倫平さんでした。彼は、イタリア語とスペイン語を取り混ぜ、イタリアなまりの英語を見事に披露したのでした。彼のユーモアのある動きや語りが観客の笑いを呼び、満場のお客さんを釘付けにしました。

どこで、そんな英語を身につけたのかと尋ねましたら、「OBの指導のおかげです。」 と先輩を誇らしげにしております。OBの方からもコメントをいただこうとしましたら、「いやぁ、これは現役生の大会ですから、彼らをインタビューしてやってください。」 とあくまでも後輩を思いやる先輩。素晴らしい伝統が息づいているわけが、こんな先輩、後輩のやり取りからもうかがい知れました。

「この一年、辛いこともありましたが、周りにいる仲間がいてくれたおかげでやり抜くことが出来ました。練習の過程から今日までを思い返すと涙がとまりません。」 とは、主演男優の望月鉄也さん。彼の演技は見事でした。きっと苦労して、人一倍努力してこの日をむかえたのでしょう。

「お客さんが笑ってくれて、拍手を送ってくれ、本当に舞台の上で演技をしていてこんなに嬉しいことはありませんでした。涙が出そうです。」 と言葉をくださったのは、ずば抜けた英語力を披露していた三宅つばささん。

「僕、こんなのやったことなかったんですよ。今胸が一杯です。」 この大会を機会に、英語力が非常に伸びたと仲間からも絶賛されていたのは、中田倫太郎さん。

望月鉄也さん
三宅つばささん
中田倫太郎さん

演出にもすばらしいものがありました。殺風景な部屋から家具や調度品をそろえた美しい部屋に早変わりするシーンがあるのですが、その変化の仕方が見事でした。普通は舞台が暗くなって、幕が下り、その後ろで大道具、小道具の移動が行われますね。

ところが、立教プロダクションが取った行動は、意表をつくものでした。その変化の部分までをも演出してしまったのです。つまり、運送会社の人間があたかも家具を搬入しているかのように、おそろいのユニフォームを着た若者たちが、ドッと舞台の上に現れ、あっという間にセッティングを終わらせてしまったのです。あまりの見事な出来に思わずカメラのシャッターを押すのを忘れたくらいです。

舞台の上では、軽快な音楽が流れ、ベラスコが踊り、役者たちも運搬を手伝う。会場からは観客の手拍子の応援。まさに観客と舞台とが一緒になった瞬間でした。


受賞のあいさつをする稲垣優さん
後方は豪華な審査員
左から Mr.Greg Dale / Mr.Jon Brokering / Mr.John Owens / Ms.Claire Harris / Mr. Michael Naishtut

他大学への感謝を述べる立教ステマネ稲垣氏

立教プロダクション、ステージマネジャーの稲垣優さんの受賞のあいさつが、また素晴らしいものでした。

「今年の立教のスローガンは『感謝』でした。ここに至るまで、OB を始め、多くの皆様のお世話になり、サポートを受けてきました。本当にありがとうございます。特にファイナルで他の大学が、勝負よりも劇の成功を優先し、搬入出を手伝ってくれたこと、心からお礼申し上げたいと思います。こんな恵まれた人間関係の中、今年度、ステージマネージャーをやれたことを誇りに思います。」

115分という決められた時間帯に搬入出を済ませないといけないこの大会ですが、実は、立教大学、何回か繰り返されたリハーサルの間、一度も時間内に終了していなかったのです。ところが、本番では、110分、見事に時間内に終了したのです。

しかし、この裏には、心温まる話があります。立教は他のどの大学よりも少ない人数でこの大会に臨んでいました。大道具の出し入れには、どうしても不利が生じます。他大学のステージマネジャーたちが率先し、全大学の学生たちが立教の搬出入を手伝っていました。皆、優勝杯をめぐって争っているにもかかわらず、彼らは、優勝のゆくえよりも、大会そのものの成功を目標に掲げていたのでした。


観客の皆様の声も集めてみました。⇒⇒⇒