英語/英語学習アーカイブ

Genki English 小学校英語に取り組む 変わるぞ!にっぽんの英語(3ページ目)

【取材記事】日本全国を駆け回っている英語教育コンサルタント Genki English! のお二人、リチャード・グレアンさんとウィル・ジャスプリザさんからお話を伺ってみました。やる気を引き出す彼らの指導法に注目です。

執筆者:川本 佐奈恵

(このページを英語で読みたい方は、こちらへどうぞ)

INDEX-1- はじめに-2- Genki English って何?& 英語学習者に向けてのアドバイス-3- 日本の英語教育に対する最初の印象は? & 日本の英語教育は進歩している?-4- もっと知りたい Genki English について


日本の英語教育に対する最初の印象は?

(川本):JETプログラムの経験者として、日本の英語教育についてどう思いましたか?

小学校の英語教育に秘められた大きな可能性

(リチャード):中学校と小学校で教え始め、ある中学校に赴任したときのことです。「イエェーイ!さぁ、かっこいい英語をやろうぜ!すごい英語を教えるぞ。」と意気込んでいました。いざ中学校へ着いたら… 何だコリャ!… 死ぬほど退屈だった。中学校では、本来の英語教育とは違ったことに時間を費やしていたように思います。でも小学校は違っていた。本物の英語を教えられる可能性がそこにはありました。それに小学校では、成果がすぐに表れました。そう、小学校には可能性がいっぱいあったのです。中学のシステム?もう、勘弁してくれって感じかな。小学校は違っていたな。もし、小学校に英語教育を取り入れたら中学も変わっていくよ、いい方向へね。

(ウィル):中学校の英語教育は「ア・ケーキ」だと思うね。

(川本):え?ケーキですって?

(ウィル):Archaic, ケーキじゃなくって、古風っていうこと。

(川本):あぁ~!Archaic(古風)ですね。あっはっは!(川本自分の聞き取りミスを笑ってごまかす)

小学校英語に大きな希望

(ウィル):そう、古いよ。100年前のものみたいだよ。すごくいい先生達もいるし、実際にそういう素晴らしい先生方にも会ってきたけれど、英語教育に関して言えば、ただ英語から日本語に訳したり、英語から日本語に訳すことに焦点を当てていて、会話は全くないでしょ。でも、言語の基本っていうのは、コミュニケーションを取るっていうことだと思うんだ。中学生になって、英語嫌いになっていく生徒達を見て、正直がっかりしたね。やり方によっては、楽しくなるのにね。でも、小学校ではみんな積極的だったな。たとえ、英語が話せなくても、とにかくやってみようという意気込みが感じられた。雰囲気がとても前向きで、僕がやりたかったことが達成できそうな、そんな大きな希望が見えてきたんだ。


日本の英語教育は進歩している?

(川本):今の日本の英語教育に関してはどう思いますか?どんなふうに進歩したかしら?

Will & Richard
JETが生み出した大きな成果

(リチャード):中学校と高校に関して言えば、そんなに変わったようには見えないな。根本的には同じだね。もちろん、あるターゲットに向けて少しずつは変わってきているけれど、でも、物事を変えるって大変なことだからね。それに講師トレーニングもないよね。それに比べ、小学校のシステムは進歩していると思うよ。日本人の先生方は本当に一生懸命やっている。彼らに必要なのは質のいい研修と質のいい教材。実は僕らがそれを提供しようとしているんだけどね。もうひとつ、僕が見てきた大きな改良点といえば、小学校にいいJETのメンバーが派遣されていることだね。多くの先生方の間から、小学校での英語教育の成果は、なかなか評価するのが難しい、なぜならば、評価すべき先生が英語を話せないから、というような声も聞きます。でも、僕はJETのメンバーがとてもいい仕事をしているのをこの目で見ている。素晴らしいよ。僕達がそういう学校へ入っていくと、そこの子供達はごく自然に僕らを受け入れてくれる。誰も、「あぁ~、外国人だぁ~!」と言って指をさすようなことはしないし、むしろ、積極的に話し掛けて来る。やる気は十分。本当に素晴らしいとしかいいようがないね。この数年で小学校のJETたちは、大きな成果を生み出したと思うよ。

子供達は知っている、僕らはエイリアンじゃないって

(ウィル):ひとつだけJETのメンバーにできること、それは、アイディアを提案することです。外からのアイディアだよね。だって、日本の教育をみてみると、同じものを繰り返す傾向にあるでしょ。熱心なJETのメンバーがいるだけで、新しい風を吹き込むことができるよ。小学校のレベルでは、今言ったように、情熱をもって子供達と接することが大事だと思うんだ。子供達と関わり合う事により、みんな同じ人間だってことを示すことがね。たとえ、ひと月に一度の関わりでもいいんじゃないかな。ただ、ハローってあいさつするだけでいいと思わないかい?他の国から来た人を見て、まるでエイリアンを見るように指をさすようなことはしなくなる。子供達が、もし街の中でアシスタント・ランゲージ・ティーチャー見かけたとしても、みんな同じ人間なんだっていうことがわかる。そして一人の人間として扱ってくれる。エイリアンじゃなくてね。

[笑い]
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