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離れて暮らす親に介護が必要になる前に、押さえておきたい5つの準備とは?

親がある程度高齢になれば、近い将来、もしかしたら介護が必要になるかもしれないと思うことがあるのではないでしょうか。今回は、介護の相談窓口はどこか、事前にどんな準備が必要かについて解説します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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久しぶりに実家に帰り、親と会うと「年相応の衰え」を感じることがあるのではないでしょうか。そうはいっても、たちまち認知症を患い「要介護」の認定が必要になることはないでしょう。しかし、近い将来、介護が必要になることを想定しておくことは大切です。今回は、親に介護が必要になる前に、押さえておきたいことをお教えします。
離れて暮らす親に介護が必要になったら?

離れて暮らす親に介護が必要になったら?

遠距離介護に向けた準備1:公的介護保険制度について知っておこう

公的介護保険制度とは、市町村と東京特別区が保険者となり運営している社会保険です。すべての人が40歳以上になったら加入します。加入者には、40~65歳未満は「第2号被保険者」、65歳以上は「第1号被保険者」という2つの区分があります。

第1号被保険者は、要支援・要介護認定を受ければ、介護保険サービスが利用できます。

要支援・要介護の分類は、以下のとおり自立レベルから要介護5まで8段階に分かれています。

・第1段階:自立レベル
・第2段階:要支援レベル 要支援1
・第3段階:要支援レベル 要支援2
・第4段階:要介護レベル 要介護1
・第5段階:要介護レベル 要介護2
・第6段階:要介護レベル 要介護3
・第7段階:要介護レベル 要介護4
・第8段階:要介護レベル 要介護5

上記の8段階でもわかるように、要介護認定には、要介護・要支援があり、以下のような違いがあります。

・要支援:基本的には1人で生活が行えるが、部分的な介護が必要な場合が該当します。
・要介護:運動機能、思考力、理解力の低下がみられるため、日常生活に支障が出る場合が該当します。
 

遠距離介護に向けた準備2:親の住んでいる地域で、介護に関する相談窓口を調べておく

介護保険制度の要介護認定を受ける場合、本人か家族が申請して要介護認定を受けることから始まります。窓口となるのは主に住所地を管轄する地域包括支援センターです。なお、地域包括支援センターでは、要介護認定を申請する前の段階でも、介護に関する相談ができます。帰省時に都合がつけば訪問して、利用できる介護サービス、その利用方法などを聞いておくとよいでしょう。自治体や社会福祉協議会でも介護についての相談はできます。

遠距離介護に向けた準備3:親の身のまわりを確認する

親と離れて暮らしていると、親の身のまわりのことはあまり知らないというのが一般的です。少なくとも、以下の2つを確認しましょう。

●かかりつけの病院・医師
親の体調をよく知るかかりつけの病院、医師を確認しておきましょう。さらに、親の持病、体質、いつも飲んでいる薬などを知っておくことも必要です。帰省時に、もし親が診察に行くようなら付き添いすれば、病院の場所、主治医も確認できます。

●親とお付き合いのある人
親が通常親しくしている人であれば、体調や行動の異変にいち早く気が付くのではないでしょうか。日ごろ親と付き合いのある人は誰なのか、教えてもらいましょう。できるなら、何かあったときのため、お互いの連絡先を交換しておくと安心です。

遠距離介護に向けた準備4:親が持つ「お金」を確認しておく

親の介護が必要になったときにかかるお金は、親の貯蓄と年金の範囲で賄うことが基本です。なかなか聞きにくいことかもしれませんが、年金額、貯蓄額をしっかり確認しておきましょう。また、病気で入院したときのために、加入している民間の医療保険があれば、契約書の保管場所、契約内容なども知っておけば安心です。

遠距離介護に向けた準備5:介護休業・介護休暇について知っておく

自分自身の準備としては、「介護休暇」や「介護休業」などについて知っておきましょう。

●「介護休暇」は1日単位、時間単位で取得できる
介護休暇は、1日単位または時間単位で取得できます。要介護状態にある親の通院に付き添う必要があるとき、親の介護のことでケアマネジャーなどとの打合せが必要なときなどに利用されています。

介護休暇は、対象家族が1人であれば、年5日まで取得することができます。介護休暇を取った場合、基本的に無給となりますが、会社によっては有給になることもあります。詳細は就業規則などで確認するとよいでしょう。日々雇用者以外のすべての労働者が該当します。

参照:介護休暇について|介護休業制度|厚生労働省

●「介護休業」通算93日まで取得可能
遠距離介護であれば、再々往復することは難しいかもしれません。また、親の要介護レベルが上がり、日常生活のほぼすべてに付き添いが必要になれば、老人介護施設に預けることを検討する必要がありますが、希望の施設が満室ということも多くあります。その際、空くまでは自宅で介護するという場合は、介護休業で対応できます。

介護休業は、対象家族1人あたり3回まで、通算93日間休業できます。介護休業では、雇用保険の被保険者で一定の要件を満たす人に休業開始時賃金月額の67%の介護休業給付金が支給されます。

対象になるのは、日々雇用者以外のすべての労働者。ただし、パートやアルバイトは、介護休業を申し出する時点で、93日間の介護休業を取得した後、6カ月の経過後も引き続き雇用される必要があります。取得についての詳細は、会社の人事課にお問い合わせください。

参照:介護休業について|介護休業制度|厚生労働省

もし、将来、遠距離介護が必要になれば、仕事をしながら介護をすることになります。体力的にも精神的にも大変な日々となることは容易に想像できますが、早めに情報を集めておけば、その負担も少しは和らぐでしょう。
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