なぜ2月に調整するの? 4で割り切れるのに2100年はうるう年じゃない?
うるう年はどうして2月29日で調整するの? 7月や8月で調整してはいけないの?
<目次>
うるう年とは? 計算の裏側
うるう年とは、1年が366日となる年のことを指します。地球は、太陽の周りを約365.24219日で1周します。しかし、現在私たちが使っている「グレゴリオ暦(太陽暦)」では、1年を365日としています。このため毎年約0.24219日、4年間で約0.96876日(0.24219日×4)のずれが発生してしまいます。
この問題を補正するために、1日追加して、1年が366日となる「うるう年」が導入されました。
4で割り切れるのに、なぜ2100年はうるう年じゃないの?
しかし、4年ごとに1日追加されてしまうと、本来のずれよりも約0.03124日(1日-0.96876日)分、多く加えていることになります。この約0.03124日のずれをさらに補正するために、例外が適用されています。<うるう年の決め方>
・西暦年号が4で割り切れる年は、うるう年とする
・例外として、西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は、平年とする。
※これにより400年に97回うるう年があります。
(400年のうち、100年目、200年目、300年目は例外にあたり平年となる)。
よって2100年は、100で割り切れますが400で割り切れないので例外にあたり、平年となります。
なぜ2月に日数調整するの? そもそも2月だけ28日までなのはどうして?
現在私たちが使っている「グレゴリオ暦」は、古代ローマの暦が元になっています。その古代ローマの暦においては、現在の2月にあたる月が1年の終わりの月でした。そのため調整するのに都合がよく、2月だけ平年は28日までだったり、うるう年の日数調整をしたりするようになりました。もう少しくわしく説明すると……
・紀元前8世紀頃のローマで使われていた「ロムルス暦」では、10カ月しかありませんでした。農作業しない冬の期間は数えないという変則的な暦だったからです。
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・紀元前713年に制定された「ヌマ暦」で、Ianuarius(英語のJanuary)とFebruarius(英語のFebruary)が加わり、12カ月になりました。現在、Februaryは2番目の2月ですが、当時は1年の最後の月とされていました。またヌマ暦は、月の満ち欠けを基準に平年を355日としていました。当時、偶数は不吉とされたため、ひと月の日数は29日か31日まででしたが、355日にするために最後の月であるFebruaryは例外として28日とされました。そして、太陽の動きとのずれを調整するために、およそ2年に一度うるう月を入れたりしていました。
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・紀元前45年、太陽の動きに基づき平年を365日、4年に一度うるう年を入れて366日とする「ユリウス暦」が制定されると、年の始めはIanuarius(英語のJanuary)と定められ、Februarius(英語のFebruary)は2番目の2月になりました。ひと月の日数も30日か31日に変更されましたが、どうしても短い月を入れないと365日にならないので、2月は28日のままになり、うるう年には29日までになりました。
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・1582年、暦の1年の長さが太陽の周期による1年の長さにより近くなるよう、うるう年の入れ方を4年に一度ではなく、400年に97回とする「グレゴリオ暦」が制定されました。
参考:国立天文台
「うるう日」といわないのはなぜ? 旧暦では「うるう月」も
うるう年の「うるう(閏)」には、「余分、余り」という意味があり、「平年よりも日数や月数が多い」ことを表すことばです。2月29日のことを「うるう日」といい、うるう日がある年を「うるう年」といいます。一般的に「うるう日」といわないのは、年単位でとらえた「平年」に対することばが「うるう年」だからです。
なお旧暦(太陰太陽暦)では、「うるう月」がありました。月の満ち欠け(約29.5日)による12カ月(約354日)は、太陽暦の1年より約11日短いため、だんだん季節とずれていってしまいます。そこで、約19年に7回(およそ3年に一度)、うるう月を入れて13カ月としていました。
2月29日に生まれた人は、いつ加齢するの?
2月29日生まれの人はいつ誕生日をお祝いするの?
法的には、「年齢計算ニ関スル法律」において、加齢する時刻は誕生日前日が満了する「午後12時」(24時0分0秒)とされています。したがって、2月29日生まれの人は、毎年2月28日の24時に1つ年を取ることになります。
お祝いをする際は、うるう年のときは「2月29日」、平年は「2月28日24時以降(3月1日)」に祝うのが一般的です。
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