信頼を得られない人に共通する悪印象な声の出し方とは?
ビジネスにおいて、信頼を得られない人に共通する「声の出し方」があります。NGの声の特徴5つと、その解決方法について解説します。
声は「生まれつきのもの」と諦めない。「印象」は変えられる
相手に不快感や不信感すら与えてしまう声の出し方というのがあります。多くの人は、声は生まれ持ったものであるとの認識を持っています。しかし、声の印象は、「声質×出し方×滑舌」で生成されているので、変数である「出し方」を変えることでコントロール可能なのです。コロナ禍で使わなくなった口元や口内の筋肉の「衰え」は3年間のライフスタイルの変化によるものですから、意識し、習慣づければ、元の状態に戻り、これまで以上に良くなっていきます。
NG(1)声の音量が小さすぎる
「え、何?」と聞き返されたことはないですか。相手が聞き返した理由を、毎回、マスクや感染防止アクリルパーテーションのせいにしてはいけません。声が小さいと、熱意がない、あるいは自信のない人とみなされてしまい、安定感や信頼感のない人との印象をもたれてしまいます。■解決方法:開口による音量調整のトレーニング
聞き手の状況や距離に合わせて、音量調整を意識的に行えるよう練習しましょう。
(1)鏡の前で、「口を少し開ける」「普通に開ける」「大きく開ける」の3種類の開口を行います
(2)「あー」と声を出し、3種類の開口と音量が比例変化しているか確認します
NG(2)早口
話し方が早口で分かりづらいと、相手をイライラさせてしまいます。基本は、聞き手が理解できるよう、ゆっくり丁寧に話すこと。人は、一度聞き逃すとその先を諦めてしまって聞いていないこともあります。相手が頷いてないときなどがそのサインです。一方で、お互いのペースが合わなければ、ゆっくり過ぎて相手を不快にする可能性もあるため訓練も必要です。■解決方法:「ペーシング」で一体感を
ペーシングとは、相手の話し方や呼吸を観察しながら、ペースを合わせる方法です。
(1)話す速度からのペーシング
ゆっくり話す人には、穏やかな気持ちで静かに耳を傾けます。早口の人の場合にも同じ聞き方をすると、ペースが合わないと感じてイライラされるかもしれません。1音1音区切りながら話すとテキパキした印象になるので、相手が早口の場合には意識すると良いでしょう。
(2)口調と言葉遣いに注目
かしこまった口調や、丁寧な言葉遣いをする人には礼儀正しい態度や言葉遣いを。特に自身が早口の自覚がある人は、攻撃的に聞こえやすいため、口調や言葉遣いを柔らかくすることが大切です。相手に対して敬意を持ち、適切な言葉遣いで話すことで、信頼を得ることができます。
NG(3)暗い声
暗い声で、表情がなく、声の抑揚もないと、エネルギッシュさや元気さが伝わりません。そのため、相手からは、自分に興味がないと受け取られ、信頼を失います。初対面では、少し高めのトーンが好印象ですが、それをずっと続けていても相手も疲れてしまいます。相手の状況を見ながら調整していくことが大切です。
■解決方法:トーンを変化させる
・出会い:高めのトーンで話し始め、明るく元気な人などのプラス印象を
(1)顎を上げます。上を向きすぎると喉が力み過ぎるため要注意
(2)表情は笑顔で、口角を上げます
(3)言葉を遠くに届け、放物線を描くイメージで声を出します
・会話の中盤:少し落ち着いた印象にするためにトーンを下げます。
(1)顎を引きます。引きすぎても、声が出にくいため注意
(2)1メートル先に声を落とすイメージを持ちながら声を出します
NG(4)こもった声
こもっていてモゴモゴした声、フィルターがかかったような声は、暗い印象しか持たれず、耳障りの悪い音は、聞き手にとってストレスです。話す方も聞く方も疲れてしまい、せっかくの会話も短期間で切り上げてしまう結果に。ビジネスにおいて発展しづらいのがこのタイプの声です。会話が発展する声に変えていきましょう。■解決方法:笑顔で口を開く
(1)顔を上げて、姿勢を正します
(2)口角を上げて5秒キープ
(3)2の状態まま「イー」と口を横に広げて、「エー」で口を大きくして5秒キープ
(4)ゆっくり元に戻します(疲労感を感じればOK)
※まずは2セットから
NG(5)固い声
最後は、固い声です。この声の特徴は、事務的で緊張感漂う冷たい印象。営業や接客、部下を持つ人などが固い声のままでいると、その冷ややかな印象から、相手は居心地が悪くなり、聞かれたことだけしか答えてくれません。相手も自分にとっても、緊張感漂うこの声には、身体の固さが影響しています。■解決方法:温かみのあるやわらかい丸い声に
猫背をやわらげ、肩甲骨をやわらかくします。
(1)仰向けになって深呼吸します
(2)両手を頭の上まで大きく上げて、床に滑らせながら円を描くように下ろします
(3)もう一度、深呼吸。息は止めないこと
(4)「アー」と口を大きくあけて、舌を天井に向けて突き出します
マスク着用ルールが緩和された今こそ、声の印象に目を向けましょう
信頼を得られない人の話し方と、その解決法を紹介しました。一度、これらのNG例で「頼りない人」認定をされてしまうと、何事もうまくいきません。その人が話す内容そのものも頼りないものと認識されてしまい、何をどう話してもネガティブな印象しか持たれなくなってしまうからです。マスク着用ルールも緩和されました。この機会に自分の声と向き合い、上向き声にしていきましょう。