マネジメント

大赤字「楽天モバイル」の行方と、三木谷社長がとるべき野心と現実のバランス(4ページ目)

楽天が2022年12月期決算を発表し、最終損益で過去最大となる3728億円の赤字を計上しました。インターネット関連事業や金融事業は好調を続けていながら、モバイル事業が4928億円の赤字となり大きく足を引っ張っています。平成生まれのビッグカンパニーの行く末は今後どうなるのでしょうか。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

三木谷社長がとるべき野心と現実のバランス

心配なのは、楽天グループ内でこれまで好調に推移してきた他事業のモチベーション維持です。

撮影:佐野 正弘

三木谷社長(一番左) 撮影:佐野 正弘

これまでは三木谷社長は、4半期決算発表のたびにどんなに赤字が出ていていようとも、「業界トップを奪取する」「黒字化は確実にめどが立った」などの強気なコメントを繰り返し、これが組織を鼓舞することにもつながってきたと思います。一方で、強気が影をひそめた今回の決算発表からは、その苦悩の深さが感じとれるところです。

最近、三木谷社長からは、モバイル事業の分離を示唆するかのような発言も聞かれています。これは組織内のモチベーションを気遣ってのものかとも思われますが、現状の業績では現実的ではないでしょう。

むしろ気になるのは、外部資本の活用という言葉で示唆されたものが、外部資本への事業売却も視野に入ってきたという意味も含んでいるではないのかという点。

これまでイケイケでやってきた三木谷社長も、経営者として野心と現実のバランスを取らざるを得ない局面を迎えているように思います。経営者三木谷浩史の手腕を判断する観点からも、楽天モバイルビジネスの行方を注目して見守りたいところです。
 

参考
楽天 2022年度通期及び第4四半期 決算資料

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