仕事ストレス・過労からうつ病に…休職したら焦りは禁物

ベッドで頭を抱える男性

うつ病での療養中、「何をして過ごしたらいいのか」と悩む人は多い

ほぼ一日中、憂うつな状態が続き、興味のあったことにも取り組めなくなってしまううつ病。治療の要は、抗うつ薬等の薬を服用しながら、ストレスから離れてしっかり休養をとることです。仕事をされている方は、自宅で数カ月間休職し、静養される方も多いと思います。
 
しかし、それまで忙しく仕事に追われていた人が急に休職すると、何をして過ごしたらいいのかわからなくなってしまうものです。過労気味だった人は、休職してもなお「会社に残してきた仕事はどうなるのだろう」「私がいなくても仕事は回っているのだろうか」などと気にしてしまうこともあります。療養と言われても1日中家で過ごすだけでは何もすることがなく、手持ち無沙汰に感じる人も思います。
 
そうしたなか、気持ちが落ち着かなくてソワソワし、何かやらずにはいられない焦りが生じてきたりします。せっかく家にいるのだからと部屋の模様替えを始めたり、身体を鍛えて健康を取り戻そうとジムに通い始めたり、復職時に困らないようにと資格取得の勉強を始めたり……。このように色んなことをやろうとして、休職中の時間を埋めようと頑張ってしまう人もいます。
 

「やりたいこと」はやる・「やらなければ」はなるべくしないのが鉄則

ですが、うつ病の休職中に心がけなければならないのは、「『やりたい』と思うことはやる。『やらなければ』と思うことはなるべくやらない」という原則です。
 
そもそも働いていてうつ病を発症する人は、「やらなければ」というプレッシャーに追われすぎ、心が疲れ果ててしまっていることが多いです。休職直後には、この頑張りすぎる思いぐせから抜け出せず、必要もないのに目標を作り出し、暇を埋めるために忙しくしようとしている人が少なくないのです。
 
うつ病による休職期間は、とにかくただのんびり、ゆっくり過ごして脳の疲れをとるべき時間です。自分自身で“ストレスのタネ”を作りだしてしまうと、療養の意味がなくなってしまいます。
 

「やらなければ」に捉われたら……焦りを感じたときの対処法

もちろん、「やりたいこと」なら行っていいのです。居心地の良い部屋に整えて、安らぎの時間を味わいたい。ジムで体を動かしてさっぱりしたい。勉強の時間をじっくりと楽しみたい。そうした活動は、心から「やりたいこと」なのだと思います。
 
ですが、最初は「やりたい」と思って始めても、いつしか「やらなければ」という切迫感にすり替わっていることがあります。すると、少しの成果では満足できず、もっと大きな成果を目指して高い目標を課すようになってしまい、結果的に自分を追い込んでしまいます。
 
たとえば、「この際だから、家中を徹底的にきれいにしよう」「負荷を増やして、もっと筋力をつけよう」「今年中には資格を取得できるように、1日5時間勉強しよう」、このように有り余る時間に任せて、自分に高いハードルを次々に課し、疲弊してしまうこともあります。
 

うつ病療養のコツは「目標や生産性を求めずに大らかに過ごすこと」

うつ病の休職中は、「自分に目標を課さない」「生産性や効率を考えない」で過ごすことが必要です。心を病むまで疲れているのは、そもそも「ねばならぬ」という考え方(「弱音を吐いてはならぬ」「後れをとってはならぬ」など)で、自分を追い込んでいたことが影響していることが多いものです。心の疲れをとるには、そうした思いぐせから自分を解放し、大らかにゆったり構えて行動することが必要になります。

できるだけ午前中に起床し、太陽の光を浴びる。炭水化物に偏りすぎず、たんぱく質やビタミンなど栄養バランスのとれた食事をとる。気分がよいときには、外に出て散歩をする(買い物がてらでもよい)。決められた薬を飲み、一定の時間に就寝する。こういった基本的な生活習慣を守ること以外は、「やらなくてもいいことはしなくてもいい」「何にもせずにぼーっとすごしてもいい」、そんな考え方を取り入れ、のんびりした時間を経験することが療養中には必要になります。
 
うつ病での休職中には、頑張らないようにして過ごすことが非常に重要です。そもそも、心を休ませるために休職をしているのですから、「やらなければ」という思いで自分を追い立てないよう、大らかな気持ちで過ごしながら自然な回復を待ちましょう。
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