かかる費用の項目が異なるため学校ごとの比較が難しい
私立中学校でかかる費用は募集要項等で開示しているので、学校のホームページやパンフレットで確認することができます。受験校を選ぶときは子どもが希望する学校を受けさせてあげたいですが、あまりにも経済的負担が大き過ぎる場合は、子どもに正直に話して負担を回避したいところです。その判断をするためにも、気になる学校の費用は全て事前に確認しておきましょう。東京都内の私立中学校でかかる費用は、東京都が『令和4年度 都内私立中学校の学費の状況』でとりまとめています。ここには、入学時に一括納付する「入学金」「施設費」、毎年度納付する「授業料」「その他」が載っています。一覧表の他、初年度納付金の高い学校・低い学校や値上げ額の高い学校等が載っているので参考になります。
しかし、私立中学でかかる費用はまだ他にもたくさんあり、ここは学校ごとの特徴があらわれる部分でもあります。学校選びをする側からしたら、かかる費用の総額を比較検討したいところですが、学校によって費用項目にかなり違いがあるので、比較すること自体が難しいです。学校が公開している資料(募集要項等)に記載の中学1年生の費用項目を、例として3校挙げてみました。 ※金額に幅があるものは下限の数字を記載、預り金(後日精算)や概算の場合もあり
この3校はかなり情報を開示しているほうです。特に法政大学中学校はかかる費用を細かく載せていて、実際にかかりそうな費用をほとんど網羅しています。学校によって項目名が違ったり載せていない費用があったりするので、それぞれの学校でかかるおおよその費用はイメージできても、他の学校と比較するのは難しいです。多くの学校は、入学金を納入した入学予定者向けの書類にかかる費用を細かく載せています。
学校指定品が多いとかかる費用が膨らみやすい
制服や通学バッグをひと通りそろえると10万円以上はかかる
その他の費用としては、制服や通学カバン等はどこも必要で、校章入りの指定品が多いと費用が膨らみがちです。通学靴や体育用シューズ等は市販品で対応可能な場合もあり、購入が任意のコート等は使わない可能性もあるので、入学前に極端なまとめ買いをせず、様子を見ながら買い足していくのがよいです。宿泊を伴う行事は学校によって行先や回数が異なり、北海道や沖縄で10万円強、海外に行けば数十万円はかかります。
通学定期代やクラブ活動の費用もかかる
クラブ活動の費用も忘れてはならない
クラブ活動も何をするか、どこまでかけるか(かかるか)は個人差があります。例えば、筆者の子は運動系のクラブに入部したので、用具や試合のユニフォームまでそろえて5万円ほどかかり、部費も毎年かかります。新型コロナウイルス感染症の影響で合宿は中止でしたが、実施されればその分もかかります。強豪校になると遠征が増えるので、支出はさらに増えるでしょう。習い事等もさらにかかりますが、クラブ活動や習い事の費用は私立中学校に限らず、公立中学校に通ってもかかります。
中学校3年間でかかる費用は進学する学校次第
私立中学校に通う3年間でいくらかかるかとなると、学校差が大きくひと言では言えません。基本的な費用(入学金・授業料・施設費・その他)だけだと、東京都の『令和4年度 都内私立中学校の学費の状況』によれば、初年度納付金の平均値は97万8420円となっています。ただ、最も高い学校(189万6500円)と最も低い学校(54万8000円)ではかなりの差があるので、希望する学校の費用を調べたほうがよいです。3年間の合計も計算するのであれば、入学金を除く初年度納付金を3年分と、入学金、寄付金等を足せば基本的な費用の概算を算出できます。それに東京都の統計には含まれていない費用を足すことで3年間の費用を算出できます。気になる学校くらいは細かく確認し、不明な点があれば学校説明会等で直接聞いてみるとよいです。
私立中学校に限らず子どもが成長していけばお金はかかります。子どもの希望をかなえられるよう、学校選びも資金準備も計画的にしていきましょう。
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