学費・教育費

中学受験の受験料は20万円超になることもある!?

東京等の一部の地域で過熱している中学受験、受験するだけでも大きな出費になります。家庭によっては20万円を超えることもある中学受験の受験料にフォーカスし、受験料の相場やお得な方法等についてまとめてみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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毎年1~2月頃は受験シーズン、大学や高校だけでなく中学校や小学校を受験する人もいます。受験するとなると当然必要になるのが受験料です。試験を受けるための費用ですが、受ける学校が増えれば負担も増えます。実際のところ中学受験ではどのくらいの受験料がかかるのか、調べてまとめてみました。
 

受験料の相場は2~3万円、関東より関西の方が若干低め

麻布,

麻布中学の受験料は3万円

中学校は義務教育なので、居住地ごとに決められている公立(市立や区立等)中学校へ進学する場合は受験料を負担することなく進学できますが、私立中学等への進学を希望して入学するには受験料を払って受験し、合格する必要があります。受験料は当然無料ではなく、国立や都道府県立でも5000円程度はかかります。私立中学は学校によって異なるので、実際の受験料をいくつか調べてみました。下記は私立中学校を受験料別に並べています。
 
  • 3万円……麻布、慶應義塾中等部、成蹊、武蔵、立教女学院
  • 2万8000円……開成、早稲田実業
  • 2万7000円……早稲田
  • 2万5000円……栄光学園、桜蔭、女子学院、豊島岡女子学園、逗子開成
  • 2万4000円……攻玉社、神戸女学院
  • 2万3000円……渋谷、東京電機大学
  • 2万2000円……大妻、国学院大学久我山、品川女子学院、女子美術大学
  • 2万円……愛光、関西学院、同志社、東大寺学園、灘、洛南、ラ・サール
  • 1万3000円……南山女子部
  • 1万円……目黒学院
※2022年1月末時点の受験料。
※校名は一部省略して簡易的にしています。

関東の学校は2万5000円程度の設定が多く、関西は2万円程度が多いです。中には目黒学院のような格安の学校もあります。受験料負担は受験料×校数なので、2万5000円の学校を4校受ければ10万円(2万5000円×4校)になります。8校受ければ20万円(2万5000円×8校)にもなります。細かいことをいえば昨今はインターネット経由の手続きが主流であり、受験料の払い込みもクレジットカード等を使って払います。この時に手数料が1回あたり数百円かかります。なお、受験料に消費税はかかりません。
 

同じ学校を複数回受験すれば受験料が割引されることもある

栄東,受験

栄東中学は複数回受験すると受験料の割引がある

中学校の中には受験日を複数回設定している学校もあり、この場合、同じ受験生が同じ学校を複数回受験することが可能です。受験料が2万5000円の場合、4回受ければ単純計算では10万円になりますが、1回も4回も一律2万5000円のような設定をしている学校もあります。受験日を複数回設定している学校で、複数回出願した場合に受験料の割引がある学校を探してみました。
 
  • 大宮開成……1回受験は2万円、同時出願だと2回2万5000円、3回3万円
  • 開智……1~5回受験は一律2万円、算数特待のみの受験は5000円
  • 栄東……4回の試験のうち1~2回受験は2万5000円、3~4回受験はプラス5000円(同時出願でなくても扱いは同じ)
  • 渋谷……1回受験は2万3000円、同時出願だと2回3万8000円、3回5万3000円
  • 東京都市大付属……全ての回を一律2万5000円で受験可能
  • 広尾学園小石川……同時出願だと1~5回受験は一律2万5000円、追加は1回につき5000円
  • 神奈川大学……1回受験は2万5000円、3回同時出願だと5万円
※2022年1月末時点の受験料。
※校名は一部省略して簡易的にしています。

入学を希望する学校に割引があれば、気兼ねせずに複数回挑戦できます。受験料が一律なら、とりあえず全て志願しておいてもよいかもしれません。
 

受験料は結局いくらかかるのか?

受験料,

子どもの一生懸命な姿をみていたら受験料を削るのは難しい

受験をする中学校が1校のみということはあまりなく、多くの受験生は複数校受験するので、その分、払う受験料も多くなります。東京都内の私立中学の場合、多くは2月1日から3日までに受験日を設定していますが、2月4~5日の学校もあります。試験は午前中に行われることが多かったのですが、最近では午後に設定し実施している学校も増えており、午前・午後で別の学校を受験できるケースも増えています。違う県になれば受験日も異なり、東京都の近県では神奈川県は東京都と同じく2月1日からですが、埼玉県と千葉県は1月中旬に試験日を設定しているので、現実的にはかなりの回数を受けることができます。

よくあるパターンとして、第1希望の学校の受験日が2月の場合、試験慣れも兼ねて1月に埼玉や千葉の学校を受けます。全国で最も受験者数が多いといわれているのが埼玉県にある栄東中学で、2022年1月実施の「A日程」の試験は実に7000人を超える志願者数となりました。この人数を新型コロナウイルス感染症対策として3密を避けるために、試験日を2日に分け、試験会場を3校に分散させ、開始時間を2つに分けて開催したほどです。東京都と神奈川県よりも先に始まる埼玉県と千葉県にはこのような位置付けの中学校が複数あります。
 
何校受けるか、どのような組み合わせで受けるかは当然個々で違い、過去の筆者(の子ども)の例では、1月に埼玉・千葉県内の学校を4回受験、2月1日~3日に午後を含めて5回受験、計9回(出願は10回)受験しました。実際に払った受験料は計16万4000円(同じ学校を複数回受けたことによる割引あり)です。他にクレジットカードの手数料がかかっています。
 
この受験回数を多いと思う人もいるでしょう。1日に午前と午後で2校受けるのはかなり体力が必要であり、先に受けた試験の結果が悪いと精神的にも負担は大きいです。親としては受験校や結果の組み合わせを数多く想定して本番にのぞみ、なるべく早期決着をのぞんでいましたが、合否があることなので思い通りにはいかないのが現実です。

中学受験の受験料は国公立1校のみなら5000円程度ですみます。私立を多数受験するとなると受験料が20万円を超える場合も考えられます。各家庭の事情に合わせて早めに決定するようにしましょう。
 
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