学費・教育費

中学受験の入学金納入は想定外支出で親泣かせ!? 57万円多く納入も?

私立中学校受験で合格したら納入する入学金ですが、受験校の組み合わせによっては想定外に50万円以上かかってしまうことがあります。想定外の入学金はどのようにして起こるのか、これから中学受験を迎える人は要チェックです。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

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都市部を中心に毎年何万人もの小学生が私立中学校等を受験します。合格すれば、合格した学校のいずれかに入学することになるでしょうが、試験に合格しただけでは入学できません。当然ですが入学するための手続きがあります。合格発表後すぐにする手続きの一つに入学金の納入があり、時々入学金の納入で想定外の支出をする人がいます。入学金の相場も含めて昨今の入学金事情についてまとめてみました。
 

私立中学校の入学金相場

入学金

希望する学校の入学金をいつ納入するかは事前に把握しておきたい

どこの私立中学校に入学するにしても、一般入学(特待生入学等を除く)であれば入学金を納入します。金額は学校によって異なりますが決して小さな額ではありません。一部の私立中学校の入学金を各校のホームページで調べてみました。
 
  • 40万円……海陽、神戸女学院
  • 38万円……女子学院
  • 37万円……武蔵
  • 34万円……慶應義塾中等部、東邦大東邦
  • 33万円……市川
  • 32万円……開成
  • 30万円……麻布、栄光学園、成蹊、早稲田実業
  • 28万円……豊島岡女子学園
  • 26万円……本郷
  • 25万円……大妻、攻玉社、栄東、逗子開成、聖光学院、灘、立教女学院
  • 24万円……洗足学園
  • 23万円……神奈川大附属
  • 21万円……大宮開成
  • 20万円……愛光、関西学院、東大寺学園、南山女子部
  • 15万円……ラ・サール
  • 12万円……同志社
  • 10万円……開智、洛南
 
入学金の額は学校によって実にさまざまです。比較的多いのが30万円と25万円で、関西の学校は関東より低めの20万円も多くあります。
 

入学金の納入期限は合格発表からわずか1日の学校もある

入学金は大きな額になりますが、多くの学校では納入期限まで数日しかないため、事前に納入する準備をしておく必要があります。合格発表から納入までの時間が短い学校の例を下記に載せておきます。
 
  • 青山学院中等部……合格発表2月3日10時/納入期限2月3日15時 ※3日15時までに学校へ行って手続きをする必要があります。
  • 麻布……合格発表2月3日15時/納入期限2月4日正午 ※3日17時までに学校へ手続き書類を受け取りに行き、納入後の4日も正午までに学校へ行って書類の提出が必要です。
  • 慶應義塾普通部……合格発表2月3日13時/納入期限2月4日15時 ※入学金以外に授業料43万円、教育充実費20万円、校友会費1万5000円も必要で入学金を含めると98万5000円になります。3日15時までに学校へ手続き書類を受け取りに行き、納入後の4日も15時までに学校へ行って書類を提出し、手続きが必要です。
  • 女子学院……合格発表2月2日11時/納入期限2月3日15時
  • 豊島岡女子学園……合格発表2月2日・3日・4日の各試験日当日の21時/納入期限各試験日の翌日正午
  • 立教女学院……合格発表2月1日21時/納入期限2月2日正午 ※2日正午までに学校へ手続き書類を受け取りに行く必要もあります。
※手続き内容は各校のホームページで確認。

青山学院中等部は、合格発表から入学金を納入したうえで15時までに学校へ行って手続きまで、5時間以内に行わなければなりません。最近はクレジットカードで払える学校が多くなり、納入手続きも簡単になってきましたが、中には振込しか対応していない学校もあるので注意が必要です。
 

入学金を納入後に本命校に合格すると二重三重で負担することもある!

受験料

子どもにはお金の心配なく進学してもらいたい

子どもが希望する学校に合格し、入学金等を納付して入学するのは、子にとっても親にとってもうれしいことですが、受験する学校選びを慎重にしないと想定外の支出が起きてしまうこともあります。
 
例えば、ある女子が大学附属の中学を希望していて、立教女学院・青山学院中等部・慶應義塾中等部の3校を受験するとしましょう。各校のスケジュールは下記の通りです。
 
  • 立教女学院……試験日2月1日/合格発表2月1日21時/入学金納入期限2月2日正午/入学金25万円
  • 青山学院中等部……試験日2月2日/合格発表2月3日10時/入学金納入期限2月3日15時/入学金32万円
  • 慶應義塾中等部……試験日1次2月3日、2次2月5日/合格発表2月6日15時/入学金納入期限2月7日13時/入学金34万円
 
そして、下記の結果になったとします。
 
  1. 立教女学院に2月1日合格……入学金納入期限までに青山学院中等部の結果は出ていなく、慶應義塾中等部はまだ試験を受ける前です。後の2校に合格する保証はないので、この段階では立教女学院への入学を考えて入学金25万円を納入。
  2. 青山学院中等部に2月3日合格……立教女学院へ納入済みですが、子どもが青山学院中等部の方をより希望しています。1次試験が終わっただけの慶應義塾中等部に合格する保証もないので、青山学院中等部への入学を考えて入学金32万円を納入。
  3. 慶應義塾中等部に2月6日合格……運良く慶應義塾中等部にも合格したので、子どもに改めて進学希望先を確認したところ、慶應義塾中等部への進学を最も希望しています。その結果、慶應義塾中等部へ入学するために入学金34万円を納入。
 
一度納めた入学金はいかなる理由でも返還されません。この例では、3校に計91万円の入学金を納入しています。立教女学院と青山学院中等部へ納入した分は返還されないので、慶應義塾中等部だけに納入した場合よりも57万円多く納入したことになります。
 
一般家庭なら57万円は大金です。合格祝いに相当贅沢な食事とプレゼントをしてもお釣りがきます。先に合格した学校へ納入しなければ二重三重に納入することはないですが、よほどの自信がない限り納入しない選択はできないでしょう。結果は子どもも親も大喜びですが、想定外出費に親は泣きたい気持ちも多少あるかもしれません。
 
このような事態を回避するには、各校のスケジュールを確認した上で受験校の組み合わせを考えるか、あらかじめ二重負担くらいは想定しておくしかないです。

中学受験は一度しかない(来年はない)挑戦です。親は受験生本人以上に悔いのない準備をして、本番に臨むようにしましょう。
 
※校名は一部省略して簡易的にしています。入学金は2022年2月7日時点、筆者調べ。

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