今すぐできる防犯対策4. 電車内「火災」に備える
大きな火災にはならなかったものの、小田急線刺傷事件の犯人はサラダ油を撒いてライターで着火を試み、京王線刺傷事件の犯人もライター用のオイルを撒いて火をつけました。こうした計画的な犯行以外にも、過去には電車内において乗客のバッグの中でスマホ等のバッテリーが発火したケースもあり、電車内での火災発生も大きなリスクのひとつです。
「火事には消火器」ですから、車両内に設置された消火器の場所や状況を日頃からよく見ておき、いざという時にはすぐに消火に使える準備をしておきましょう。また職場等での防災訓練には積極的に参加して、消火器の使い方などもマスターしておくといいでしょう。場合によっては、着ているコートやジャケット等で消火することもあり得るかもしれません。
万一、火災等で煙を吸い込んだり目がしみたりした時、あるいは催涙スプレーを撒かれた時には、目を洗い流したりうがいすることもできるため、ミネラルウォーターをバッグに1本入れておくと、ほかの飲み物より間違いなく安全で有効です(催涙スプレーについてはこちらの記事をご覧ください)。
今すぐできる防犯対策5. 自分を「過信」しない
電車内襲撃などの通り魔犯行が発生した時、その場に武道や格闘技、サバイバルの心得がある人や警察、消防、自衛隊、警備業など不審者を制圧する技能や力がある人たちがいた場合は、襲撃者の隙をついてすぐさま制圧することも可能かもしれませんが、一般市民としては自分の力を過信せず、「とにかく自分を守ること」を第一に考えて行動しましょう。各自が自分を守ることができれば、一人の集合体である全員を守ることになります。人道的な行動も自分が命を落とすことになっては本末転倒ですから、「まず自分の安全を確保してから」余裕があれば周囲の人の避難を助けることも考えておきましょう。逃げる際に「みんな、逃げろ!」と大きな声を出すだけでも、状況が飲み込めない人たちにとっては大きな救いになるはずです。
襲撃者の卑劣で悪質な犯行は許しがたいものです。しかし、居合わせた人々が自分の安全を確保しつつ襲撃者にカバンや荷物等を投げつけたり振り下ろしたり、コートをかぶせて視界を奪ったり、足を引っかけて倒すなどして犯行や被害から逃れた……などという場面は、映画や漫画の世界のようなフィクションにしかあり得ないことかもしれません。
けれども「緊急事態を想像すること」は無駄ではありません。もちろん、鉄道各社や警察等の施策や努力が抑止力となって二度とこうした事件が起きないことが何よりも望まれることは言うまでもありません。
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