手紙の書き方・文例

お歳暮お礼状の書き方マナーや文例!友人・ビジネス関係・喪中の場合

お歳暮のお礼状について書き方マナー・文例をご紹介します。一年の感謝の気持ちを贈るお歳暮は、昔ながらの大切な日本ならではの風習。お礼状は人間関係を大切につなげる大事なツールです。贈られた側としてまず何をすべきでしょうか。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

お歳暮お礼状の書き方マナーや文例

お歳暮お礼状の書き方マナーや文例

お礼状は人間関係を大切につなげる大事なツール。厚意を受けたらきちんと感謝の言葉、ありがとうの気持ちを伝えたいものです

日本には日ごろお世話になっている方々への年末のあいさつとして贈り物を贈る慣習があります。これが贈答儀礼のひとつであるお歳暮です。このお歳暮をいただいたときにするべき大事なお礼状の書き方と文例をご紹介します。
   

お歳暮とは? いつ始まった? 由来や意味

日本にしかない「お歳暮」という慣習は、お正月に祖霊(先祖の霊)を迎えて御魂祭りの御供え物や贈り物をした日本古来の習わしが起源とされています。嫁いだり分家した人が、お正月になると親元へ集まって御供え物を持ち寄ったのが始まり。

かつてはお歳暮に使う品は年越しに必要な御供え物を贈ることから、塩鮭、塩ぶり、数の子、するめ、もちなど食料品を送る風習でした。現代ではそういうことにはこだわらず、さまざまな品物が贈られています。

また昔は新年の準備を始める12月13日「事始め」から20日までにお歳暮を贈られたそうです。現在は日ごろお世話になっている方々への年末のあいさつになり、贈答儀礼に変わりつつあります。
 

お歳暮が届いたらまず何をする? お礼状のポイント

品物が届いたことを相手に知らせる役割もあるため、できるだけ早くお礼状を出すように

品物が届いたことを相手に知らせる役割もあるため、できるだけ早くお礼状を出すように

お歳暮のお礼状は気持ちを伝えることが大切ですが、品物が届いたことを相手に知らせる役割もあるため、できるだけ早く出すことです。間を置かずに感謝の気持ちを伝えると相手も贈ってよかったと思ってくれるでしょう。

普段から交流のある親しい方なら電話やメールでも大丈夫。しかし目上の方には、手書きのはがきや手紙のお礼状の方がより丁寧だと思います。また届いたら速やかにお礼を伝える電話を入れ、その後お礼状を出すという方法もあります。

お歳暮のお礼状を書くときのポイントとは、以下の通り。
  • お歳暮の感謝の気持ちを書くことを心がける。
  • 普段から交流ある方には、家族の近況報告を触れてもよい。
  • 品物をいただいた感想、たとえば食べ物ならどのように美味しかったか、家族が喜んだこと。また品物ならどこが気に入ったとか、どういう風に使っているか具体的なことを率直に感謝の気持ちを伝える。
  • 相手の心遣いへの感謝の気持ちを表すものなので、あまり親しくない方にはそれ以外のことは触れない方が無難。
 

お歳暮のお礼状の基本4パターン

お歳暮のお礼状には定型文を使うと、敬語の使い方や失礼な表現を避けることができるので安心です

お歳暮のお礼状には定型文を使うと、敬語の使い方や失礼な表現を避けることができるので安心です

友人や知人など親しい人にお礼状を出す場合は「拝啓」「敬具」などの用語や型にはまった前文のあいさつは必要ありません。自分らしい表現で素直な気持ちを相手に伝えることが大切です。

ただし、目上の方やビジネス関係においては、「拝啓」など相手に対する敬意を表す言葉である「頭語」や「結語(敬具)」といった定型文を使うことをおすすめします。こういった定型文を使うと、敬語の使い方や失礼な表現を避けることができるので安心です。以下の基本パターンでは友人や知人などへのお礼状を想定しています。

1.季節の挨拶から、書き出しは一文字さげる
  • 年の瀬も押しせまってまいりました。
  • 師走のあわただしい季節となりました。
  • 師走に入り寒さも厳しくなってまいりました。
  • 今年も残り少なくなってまいりました。

2.品物のお礼の言葉(本人や家族が喜んでいること)
  • いつも何かとお心遣いをいただき、ありがとうございます。
  • 先日家族(子どもたち)の大好きな○○が届きました。いつも気にかけてくださりありがとうございます。
  • 私の好物を覚えていてくださってとても嬉しいです。本当にありがとうございます。

3.相手の健康を祈る言葉
  • まだまだ気温差が激しいようです。ご自愛のうえ、よいお年をお迎えくださいますようお祈りいたします。
  • これから寒さが厳しくなりますので、どうぞお体ご自愛なさってください。幸多き新年を迎えられますようにお祈りいたします。
  • 朝夕は冷たい風も吹きますので、お体ご自愛のほどお祈り申し上げます。

4.結びのあいさつ
  • とりあえず、お礼まで
  • 取り急ぎお礼まで
  • 一筆お礼まで
  • 略儀ながら書中にてお礼申し上げます

5.日付、名前
 

ビジネス関係、目上の方……お歳暮お礼状の文例いろいろ

■ビジネス関係
拝啓
歳末を迎え何かとご繁忙な日々をお過ごしのことと拝察申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、このたびはご丁重なお歳暮の品をお贈りいただきまして
誠にありがとうございました。
日ごろは私どもが大変お世話になっておりますのにこのような
お心遣いをいただき恐縮に存じます。
寒さも厳しくなります折、皆様の一層のご健勝と貴社のますます
のご発展を心からお祈りいたします。
まずはとり急ぎお礼かたがたご挨拶申し上げます。   敬具
令和○○年十二月

■目上の方
拝啓
師走に入り寒さも厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
このたびは心温まるお歳暮の品をいただきまして、誠にありがとうございました。
いただきました高級ワインはお正月に封を切るのを楽しみにしています。
まだまだ気温差が激しいようです。
ご自愛のうえよいお年をお迎えくださいますようお祈りいたします。
敬具
令和○○年十二月

■知人
年の瀬の寒気いよいよ厳しい季節となりました。いかがお過ごしですか。
お互いに忙しい毎日を過ごし、なかなかお会いする機会がありませんね。
先日はとても素敵な品物が届きました。
いつも何かとお心遣いをありがとうございます。
立派なシクラメンの鉢植えは、早速日当たりの良い窓辺に飾らせていただいています。
毎日花を眺めて過ごすと、自然と心が癒されます。
これから忙しくなると聞いていますが、くれぐれもご自愛下さいね。
取り急ぎお礼まで。
令和○○年十二月

■嫁の嫁ぎ先
拝啓
師走に入り寒さも厳しくなってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。
なかなかご挨拶にも伺えず、ご無沙汰しておりますことをお詫び申し上げます。
さて先日は、そちらの名産品の牛肉をお送りいただきましてありがとうございました。
早速夕食にすき焼きにしていただきましたところ、とても美味しく家族皆大喜びでした。
いつも変わらぬお心遣いには、大変恐縮しております。
なおお返しというほどのものではありませんが、当地名産の梅干しをお送りいたしましたので
ご笑味いただければ幸いです。
寒さきびしき折、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
まずはお礼まで。 
敬具
令和○○年十二月

■喪中の場合
当方、先方のいずれが喪中であっても、その年にお世話になった相手に対する感謝の気持ちを表すのがお歳暮なので贈っても差し支えありません。喪中でもお歳暮をいただいたら必ずお礼状を出します。ただし以下の言葉を使うのはNGなので気をつけましょう。

健康を祝う言葉やお祝いの言葉は使いません。
  • ご健勝のことと
  • お健やかにお過ごしのこと
  • ご清祥(ご清栄)のことと
  • 心よりお慶び(喜び)申し上げます。

拝啓
師走の町はいよいよ忙しくなってまいりました。
さてこのたびは結構なお歳暮を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。
早速家族全員で美味しく頂きました。いつもながら気にかけて下さり、恐縮しております。
寒さはこれからが本番です。どうぞご自愛ください
本日は書面にてお礼申し上げます。     
敬具 
令和○○年十二月
 

お歳暮のお礼状を出すのが遅くなった場合

できるだけ早く出すことが鉄則ですが、年末の忙しさについお礼状を忘れてしまった経験がある方もおられるでしょう。仕事関係など大事な場面では、すぐにお詫びの電話をかけるのがよいでしょう。その上でお礼状を出します。遅くなってしまったことを詫びる一文を入れますが、言い訳はNG。シンプルにお詫びの文章のみにするのがポイントです。
  • 「本来ならすぐにでもお礼を申し上げるべきところ、お礼が遅くなってしまいました。心よりお詫び申し上げます。」
  • 「本来ならばすぐにお礼を申し上げなければならないところ、遅くなってしまい、大変失礼いたしました。」
  • 「お歳暮をいただいたにもかかわらず日々の雑事に追われ、忙しく過ごしていました。お礼を申し上げるのが遅くなってしまい、大変申し訳ございませんでした」
■文章の構成
  • 季節の挨拶
  • 品物のお礼の言葉
  • お礼が遅くなったことへのお詫び
  • 相手の健康を祈ることばを
  • 結びの挨拶
これで解決できます! もちろん次回から届いたら忘れずすぐにお礼状を出しましょう。


お礼状は人間関係を大切につなげる大事なツールです。厚意を受けたらきちんと感謝の言葉、ありがとうの気持ちを伝えたいもの。それにはまず早くお礼状を贈り主に届けましょう。

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