手紙の書き方・文例

賀正とは?意味や読み方、目上の人にはNG!年賀状での正しい使い方

賀正とは、正月を祝う言葉で年賀状で使う賀詞のひとつ。自分と同等の友人や同僚や後輩などに使用するのはOKですが、上司や目上の人はNG! 賀正の意味や読み方、正しい使い方を解説します。消しゴムを使った賀正スタンプの作り方もチェック!

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

賀正とは? 意味や読み方

賀正とは?意味や読み方、目上の人にはNG!年賀状での正しい使い方

賀正とは? 意味や読み方

年賀状で使われる「賀詞(がし)」のひとつである「賀正」。新年を迎えるときに使う言葉というのは知っていても、詳しい意味を知らない人は意外と少なくないかもしれません。

賀正の意味や読み方、使って良い相手や悪い相手など正しい使い方を解説します。
 
<目次>

賀詞のひとつ「賀正」とは? 由来、意味や読み方

賀正の「賀」の漢字は音読みで「が」、訓読みで「よろこ(ぶ)」で、祝うや喜ぶという意味を表わす。「正」は音読みで「せい、しょう」、訓読みで「ただ(しい)、まさ」。これらを組み合わせると正月を祝うという意味になります

賀正の「賀」の漢字は音読みで「が」、訓読みで「よろこ(ぶ)」で、祝うや喜ぶという意味を表わす。「正」は音読みで「せい、しょう」、訓読みで「ただ(しい)、まさ」。これらを組み合わせると正月を祝うという意味になります

年賀状で用いられる賀詞のひとつ「賀正」読み方は「がしょう」となります。この「賀」という言葉には、喜び祝うという意味があります。賀正とはすなわち、正月を賀する=祝うということ。

賀という漢字は「加」と「貝」の組み合わせでできていますね。加は豊作を祈る儀礼、貝は価値のあるもの、すなわちお金、財貨を表しています。お祝いや喜びに関連して祝うなど、めでたい意味をもつようになりました。

なお、「がせい」と読む場合もあり、「賀正を述べる」など一般的な名詞表現としても使われています。
 

賀正を使って良い相手、悪い相手とは

賀正は「正月/新年を祝います」という意味を表わすとお伝えしましたが、簡略化した表現になるため、相手への敬意の文字が含まれていません。

例えば、よく使う賀詞のひとつ「謹賀新年」には「謹む(つつしむ)」という言葉が入っています。恭しく(うやうやしく)かしこまるという意味であり、他人に対して敬意を表すため、礼儀がかなった挨拶になっています。また「恭賀新年」の「恭(うやうやしい)」も同じく、礼儀正しく丁寧であるという意味です。そのためこれらの賀詞は、会社の上司や相手が目上の方の場合に使用するのがマナー。

賀正のように敬意の文字が含まれず簡略化した表現は、自分と同等である友人や同僚、また後輩など目下の人に使用すれば間違いないでしょう。
 

年賀状で使用される賀正の類語

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上司や目上の人に対しては、「謹んで」の言葉が入っている賀詞を選ぶように

年賀状で使う賀詞は大きくわけると5種類あります。一文字の「賀」、二文字の「賀正」、四文字の「謹賀新年」、また「明けましておめでとうございます」「謹んで初春のお慶びを申し上げます」のような文章で表した賀詞、「Happy New Year」など。

その中で二文字の「賀正」と同じような類語をまとめてみました。
  • 賀春:新春を祝う
  • 迎春:新春を迎える
  • 寿春:新春をことほぐ(喜びや祝いの言葉を述べる)
  • 新春:新しい年
  • 初春:新しい年、年の初め
  • 頌春:新年をたたえる
  • 慶福:めでたい
結構ありますね。これらはすべて「お正月をお祝いしましょう」という気持ちを簡単に表現しています。しかし、賀正と同じく、相手への敬意の文字が含まれていないため、相手への敬意、丁寧な気持ちが込められた挨拶の言葉とはいえないのです。

親しみを込めて、自分と同等の友人や同僚、後輩など目下の人に使えば問題ありませんが、間違っても目上の方、仕事関係の方へは避けるべき賀詞になります。

■その他に気を付けたい、年賀状のやりがちなNGにも注意!
年賀状の書き方には、相手の幸福を祈り、変わらぬ友ぎを願うことばを記すというルールがあります。相手が不快に感じるフレーズはできるだけ書かないように気をつけましょう。たとえば「昨年は体調を壊して……。」など報告されても、送られた方は新年早々暗い気分になってしまうため、できるだけ楽しい話題を心がけましょう。

また「去る」「失う」「滅びる」「絶望」などといった忌み言葉もNGワードです。「去年」は避けて「昨年」「旧年」を使いましょう。

日付を書く場合、「一月元旦」「一月一日元旦」は重複表現という点にもご注意を。元旦とは新年の最初の朝という意味のため、「元旦」と書くだけでOK。「令和○○年 元旦」「○○○○年 元旦」と書くのが正しい使い方。同じように「新年あけましておめでとうございます」も「新年おめでとうございます」とします。
 

上司や目上の人におすすめの賀詞とは

上司や目上の人に対しては、四文字の賀詞を使うのが基本です。その賀詞の中に「謹」「恭」「敬」「頌」という言葉が入っていると相手への敬意や丁寧な気持ちが込められていて、礼儀にかなった挨拶になります。このような四文字の賀詞は上司や目上の人に使います。

四文字の賀詞をまとめてみました。
  • 謹賀新年:謹んで新年をお祝い申し上げます
  • 謹賀新春:謹んで新しい年をお祝い申し上げます
  • 恭賀新年:うやうやしく新年をお祝い申し上げます
  • 恭賀新春:うやうやしく新しい年をお祝い申し上げます
  • 恭頌新禧(きょうしょうしんき):うやうやしく新年の喜びをおたたえ申し上げます
  • 敬頌新禧(けいしょうしんき):うやうやしく新年の喜びをおたたえ申し上げます
  • 敬寿歳旦(けいじゅさいたん):元日の朝を迎えお祝い申し上げるとともに幸運をお祈りいたします
  • 慶賀光春(けいがこうしゅん):輝かしい新年のお喜びを申し上げます
  • 新春来福(しんしゅんらいふく):新しい年に福が来ることをお祈り申し上げます 
  • 瑞祥新春(ずいしょうしんしゅん):新年を喜び吉兆をお届けいたします
  • 迎春万歳(げいしゅんばんざい):新年を迎えお喜び申し上げます
  • 笑門来福(しょうもんらいふく):笑顔でいられるよう幸福をお祈りいたします 
  • 鶴寿千歳(かくじゅせんざい):千年生きる鶴のように長生きすることをお祈り申し上げます
  • 麗雅懿春(れいがいしゅん):鮮やかにして奥ゆかしく麗しい春をお喜び申し上げます
  • 一陽来復(いちようらいふく)新年を迎えお喜び申し上げます
聞きなれない四文字の賀詞もたくさんありますね。それぞれ意味を確認して参考にして下さい。

また文章で表した賀詞は誰にでも使うことができます。ただし、上司や目上の人に対しては、「謹んで」の言葉が入っているものを選ぶようにしてください。
  • 新春を寿ぎ謹んでご祝詞申し上げます
  • 謹んで新年のご祝詞を申し上げます
  • 謹んで新春のお祝いを申し上げます
  • 謹んで年始のお喜びを申し上げます
  • 謹んで年頭のごあいさつを申し上げます
  • 謹んで初春のお祝いを申し上げます
  • 謹んで新春のお喜びを申し上げます
  • 謹んで年始のご祝詞を申し上げます
  • 謹んで年始のご挨拶を申し述べます
 

【おまけ】消しゴムで賀正はんこを作ろう

今はパソコンとプリンターがあれば自分で年賀状を作成できます。ネットには、文例やイラストがすべて入っているテンプレートがあるサイトがたくさんありますよね。それを利用すれば簡単に作ることができますが、少しひと手間かけて消しゴムで賀正のはんこを作ってみませんか?

オリジナルの年賀状もらうと嬉しいでしょう。また自分で作った年賀状は思い出になりますね。「賀正」の賀詞ならたった二文字のため、簡単に作れます。知人・友人への年賀状におすすめします。

■用意するもの
  • 消しゴム(はんこ作成用の消しゴム、やわらかめになっています)
  • 鉛筆
  • トレーシングペーパー(クッキングシートでも代用可能)
  • 彫刻刀やカッターナイフ
  • 下絵
  • カッティングボード
■作り方
  1. 賀正と紙に書いた文字の上にトレーシングペーパーを置き、鉛筆で写します。
  2. 写したトレーシングペーパーを鉛筆で書いた面を消しゴム側に向けて配置します。
  3. 鉛筆で書いた線が消しゴムにしっかり転写するように裏からこすっていきます。自分の指の爪や粘土ベラ、アイスの棒などを使いましょう。文字がしっかりと写っていればOK。
  4. インクをつけたい部分を残し、それ以外は彫刻刀やカッターナイフで彫っていきます。カッティングボードの上にのせて彫ると安定して掘りやすいです。
  5. 試し押しをして、気になる部分をチェックして完成!


いかがでしたでしょうか。「賀正」は賀詞のひとつですが、自分と同等の友人や同僚や後輩など目下の人に使用するのはOKですが、上司や目上の人はNG!正しい意味を知って年賀状を出す相手によって賀詞の使い分けをしてくださいね。

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