ケベック旧市街の歴史地区
ケベックの象徴、シャトー・フロンテナック。ヨーロッパの古城を模した1893年創業の高級ホテルで、現在も営業中
17世紀初頭、フランス人探検家シャンプランが先住民たちと毛皮の交換をこの地で行い、以来市場を中心に栄えた北米最古の植民都市で、北米唯一の城壁都市でもある。カナダは英仏両言語が公用語だが、ケベック州はフランス語のみが公用語で、フランス文化が人々の生活に深く浸透している。毎年2月前後に行われるウインター・カーニバルは世界最大の冬祭りといわれ、“ジョワ・ド・ヴィーヴル(人生の喜び)”をモットーに100万を超える人々が祭りを楽しむ。
オールド・ハバナとその要塞群
革命広場の内務省ビル壁面に描かれたキューバの象徴、チェ・ゲバラ肖像(新市街にあり、世界遺産には含まれない)
1492年、コロンブスが新大陸を「発見」した航海途中に到達したキューバ。1519年にはオールド・ハバナの地に街が建設された。以来中米の財宝を積んだ船の寄港地、やがて奴隷貿易や砂糖などのプランテーション作物貿易の中継地として栄えた。たびたび海賊に襲われていたためにスペインはオールド・タウン周辺に4つの要塞を建設。この中にハバナ大聖堂やカピトリオなど、バロックや新古典主義の建物を築いて独特の街並みを造り上げた。
ティカル国立公園
700年前後に造られたティカルII号神殿。高さ38mのピラミッド型神殿で、天・地・冥界を結ぶ聖山を模しているといわれる ©牧哲雄
ティカルは3,000~4,000に及ぶと見られる遺跡からなるマヤ最大級の都市遺跡であると同時に、ジャングルの貴重で豊かな生態系から自然遺産としての価値も認められて、複合遺産として世界遺産登録されている。都市ティカルは紀元前3~10世紀に栄え、人口は最大で10万にもなったという。すぐに水がしみ込むカルストの土壌であるためセノーテと呼ばれる貯水池を作り、灌漑設備を充実させることで巨大都市を維持した。数々のピラミッドがあり、最大のIV号神殿は高さ70mにもなる。
紹介記事はこちら>>ティカル国立公園/グアテマラ
アンティグア・グアテマラ
色彩が美しいコロニアル風の家並み。平屋が多いのは地震が多いためで、地震によって破壊されて廃墟となっている建物も多い ©牧哲雄
ジャングルが広がる中米にあって、標高約1,500mのグアテマラ高地にあるため、とても気候がよく景観も美しい。街ができたのは16世紀。スペイン人が気候を気に入って築き、一時はメソ・アメリカを治める首都として栄えた。1773年の大地震で壊滅的な被害を受けて大部分は放棄されたが、街を愛する人々によって徐々に再建された。幾何学文様や熱帯の動植物をカラフルに染め抜いた民族衣装ウイピルを着た人々が、パステル・カラーに彩られた家々に暮らす鮮やかな街並みが印象的だ。
紹介記事はこちら>>アンティグア・グアテマラ/グアテマラ
ココ島国立公園
時にこのマンタも大群で現れる(参考画像)。ココ島へはコスタリカから限定ツアーに参加してアクセスするしかない
スピルバーグ監督作品『ジュラシック・パーク』のモデルとなった島。コスタリカ南西550kmにある無人島で、20kmほどの外周は断崖絶壁に囲まれており、極端に多い降水量と隔絶された環境から、数多くの固有種が生息するジャングルが広がっている。海は魚影が濃く、普段は群れないシュモクザメが数百匹単位で集まるほか、ジンベイザメやマンタなど、巨大魚や魚の大群が日常的に目撃できる。観光客の上陸は禁止で、ダイビングも定められたポイントでのみ許可されている。