7日間脂肪燃焼ダイエットの利点
「スープとフルーツの日」「スープと野菜の日」…。指示が非常にシンプルです。
ダイエットに限らず言えることですが、自分がやるべきオペレーション(作業)が複雑であれば、それを行なうこと自体がストレスになってしまいます。その点この7日間脂肪燃焼ダイエットは、、やるべきことが極めてシンプルにまとめられており、オペレーションを理解するストレスや実行するストレスが少ないダイエット法だといえます。
■実際にやせる
このダイエット法で使われる野菜スープは約3リットル作っても600~700kcal程度しかありません。その他時折食べる果物類は平均すると1kgあたり500kcal程度。野菜類は平均すると1kgあたり300kcal程度です。つまり(現実的にそんなに食べることは難しいでしょうが…)7日間のうち、肉を食べない5日間に野菜スープ2リットル、果物1kg、野菜1kg食べたとしても一日のエネルギー摂取総量は1500kcal未満となり、ほとんどの人で体重が減少するはずです。
■基礎知識が必要ない
こちらもオペレーションがシンプルであることに由来しますが、このダイエット法を実践するにあたり事前の基礎知識がほとんど必要ありません。つまり、誰でもすぐに(事前勉強の時間をとらずに)取り組めるという利点もあります。
7日間脂肪燃焼ダイエットの問題点
果物と野菜のみではたんぱく質が不足します!
最も重大な問題点は人間にとって欠くことができない栄養素の一つ”たんぱく質”の摂取量が非常に少なくなりがちであるということです。例えば20代から40代までの男性の一日あたりのたんぱく質所要量(ほとんどの人の必要量を満たす量)は70g、女性のそれは55gと言われています。
ところが、たんぱく質は、野菜には100gあたり約1g、果物には100gあたり約0.5gしか含まれていません。野菜スープにも実際に作って計算してみると100gあたり1g程度のたんぱく質しか含まれていません。
つまり、仮にこれらを一日5kg(←お鍋2杯分くらい!)食べたとしてもたんぱく質の総摂取量はおよそ40g程度となり一日の所要量を満たすことはできません。
もちろん一日二日たんぱく質を摂らなくてもすぐに健康を害することはありませんが、肉を食べる日にその量でたんぱく質不足を補完するという、かなりアクロバティックな栄養摂取法が要求されます。
基本的には穀類や豆類に私たちの身体はなじんでいます。(ちなみに豆類には茹でても10パーセント前後のたんぱく質が含まれています)
人間にとって主要なエネルギー源である炭水化物には、米やジャガイモなどに含まれるデンプンのような大きな塊(糖)から、果物に含まれる果糖、砂糖、ブドウ糖などのような小さな塊(糖)があります。
そして、今回の食生活において、7日目の玄米とベークドポテトを食べる日を除いては、得られるエネルギー源(炭水化物)が果物由来の小さい糖に偏ってしまっています。
小さい糖は吸収が早く、血糖値を速やかに上昇させたり、中性脂肪を速やかに増やしたりするためには有利ですが、逆にそれらの血中量の調整は難しくなります。
おそらく今回の食生活のような、小さい糖ばかりでエネルギーを確保することをすすめる栄養関連の専門家はほとんどいないと思います。
■食に関するスキルが身につかない
今回のような怪文書系ダイエット法にありがちですが、その根拠が曖昧だったり間違っていたりしているため、それを行なって仮に痩せたとしても食に関する知識やスキルはほとんど身につきません。
そのためこの食事法による1週間が終わった後、以前の食生活にもどれば(もどってしまい)多くの方がリバウンドを経験することでしょう。
7日間脂肪燃焼ダイエットの注意点
以上を踏まえて、実際にこのダイエット法を行なう場合の注意点をまとめると次のようになります。肉(赤身)には100gあたり約20gのたんぱく質が含まれています。
たんぱく質不足は筋肉を減らし、太りやすい身体にさせるというダイエットにおいては非常に悲しい事態を引き起こします。それを防ぐため、肉を食べる日には、意識して(できるだけ赤身の)肉を多めに食べることが大切です。
また、特に指示がないときには(食べて良いと解釈して)、豆類を多く食べましょう。
なお、市販のプロテイン(たんぱく質)を毎日30~50g程度摂るという方法も検討に値します。
■正攻法ではないことを理解した上で実行する
今回ご紹介したダイエット法は、肉を食べる日を挟んで前後2回のプチ断食(スープ断食)を行なっていると考えれば興味深い方法ではあります。しかし、同時に一日単位で見れば栄養学的には極端に偏った食生活であることは間違いありません。実行するにしても一週間の娯楽的な取り組み方に止めて、短い期間に繰り返し行なわないことが賢明です。
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