味噌の賞味期限はいつまで? 開封後の保存方法など解説
賞味期限切れの味噌は食べられる?
<目次>
味噌の賞味期限はどのくらい?
米や豆、麦やそれらを組み合わせて調合したものなど、味噌の種類はたくさんあります。種類によって材料や製法が異なるため、賞味期限も異なってきます。基本的に味噌の賞味期限は、麹の使用量と塩分量によって決まります。麹の量が少なく、塩分量が高いほど、また、熟成期間が長い味噌ほど賞味期限は長くなります。味噌の賞味期限は6カ月から12カ月程度
味噌の賞味期限は種類によって違います
■米味噌
大豆と米麹で作られる味噌。全国的に生産され、生産量の約80%を占めます。代表的なものとしては、信州味噌、西京味噌、仙台味噌、津軽味噌、加賀味噌、府中味噌などがあります。
■豆味噌
大豆と豆麹で作られる味噌で、生産量の約5%を占めます。愛知、三重、岐阜の中京地域で生産され、代表的なものは八丁味噌、三州味噌、名古屋味噌です。
■麦味噌
大豆と麦麹で作られる味噌で、生産量の約9%を占めます。瀬戸内海をはさんだ地域、九州で生産され、代表的なものは九州麦味噌です。
■調合味噌
2種類の味噌を合わせたり、複数の麹を使って作る味噌。生産量の約6%を占めます。赤だし味噌と言われるものは豆味噌をベースに米味噌をブレンドしたもの、調合味噌に分類されます。
一般的に、麹歩合(麹の使用量)の多いものや塩分量が少ないものほど賞味期限は短く、麹歩合が低く、やや食塩含有量が多くて熟成期間が長いもの、および豆味噌などは賞味期限は長くなります。豆味噌は6~12カ月、米味噌は甘味噌で3~6カ月、辛口味噌で3~12カ月、調合味噌は3~12カ月が目安です。
▽参考記事
味噌の基礎知識と活用法
参照:蔵元 桝塚味噌 よくあるご質問(http://www.masuzuka.co.jp/qa/)
そもそも賞味期限と消費期限の違いって?
お店で買った食品には、袋や容器に「消費期限」か「賞味期限」のどちらかが表示されています。消費期限:袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合の「安全に食べられる期限」。お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、傷みやすい食品に表示されています。基本的に「期限を過ぎたら食べられない」と考えます。
賞味期限:袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合の「品質が変わらずに美味しく食べられる期限」。スナック菓子、カップめん、チーズ、缶詰、ペットボトル飲料など、消費期限に比べて傷みにくい食品に表示されています。この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
ただし、消費期限も賞味期限も、袋や容器を開けないで、書かれた通りに保存していた場合の安全や美味しさを約束したもの。一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html)
賞味期限が切れた味噌はいつまで食べられる?
消費期限と賞味期限の違いを確認したところで、賞味期限切れの味噌について見ていきます。うっかり味噌の賞味期限が切れてしまっていた場合でも、安全性に問題がないこともあります。味噌の賞味期限が切れてからの期間別に見ていきましょう。賞味期限が切れた味噌は食べても大丈夫?
賞味期限が切れた味噌はいつまで食べられる?
保存状態によっては、賞味期限が過ぎる頃には味噌が傷んでくることもあります。あくまでも目安ですので、食べる前には必ず味噌の状態を確認しましょう。
■賞味期限が1カ月切れた味噌
賞味期限が切れてもすぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限から1カ月ほどであれば、問題なく食べられることが多いです。ただし、保存方法によっては傷んでいる場合があるので、必ず状態を確認しましょう。
■賞味期限が4カ月から半年切れた味噌
保存方法が適切で未開封であれば、賞味期限が半年過ぎていても食べられることも多いです。すでに開封済みである場合は、風味が落ちてしまったり色の変化が起こったりなど、品質が保たれていない状態となることがあります。味噌が傷み始めている可能性はあるので、必ず状態を確認しましょう。
■賞味期限が1年切れた味噌
賞味期限から1年以上過ぎると、未開封であっても変色してしまいます。変色は味噌の原料の反応によって起こるものなので、味噌自体が傷んでいなければ問題なく食べることができます。開封済みの場合は、明らかに品質が低下していると考えられます。原料の反応による変色などだけであれば食べることは可能ですが、傷み始めている可能性があるので、必ず状態を確認しましょう。
参照:ハナマルキ よくあるご質問(https://www.hanamaruki.co.jp/faq.html)
味噌の賞味期限が切れるとどうなる?
保存状態によっては風味や香味が変化することも
味噌は発酵食品で、賞味期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるというわけではありませんが、風味や香味が劣化するなど品質に変化は生じてきます。
2.色に変化が生じる
色が濃くなる現象(褐変)は、どんな味噌でも起こる、味噌の特徴です。特に夏場の暑い環境では急速に褐変が進みます。色が濃くなっても、体に害はないので、そのまま食べて問題はありませんが、極度の褐変は、味噌の風味に変化が現れます。
3.カビが発生する
味噌にカビが発生すると、黒い液体が出ていたり、酸味や渋みを感じるようになります。カビは味噌の表面から発生するため、早い段階であれば大きめに取り除くことで食べられないこともありませんが、味噌が傷んでいる状態ですので食べることは避けましょう。
参照:ハナマルキ よくあるご質問(https://www.hanamaruki.co.jp/faq.html)
マルコメ よくあるご質問(https://www.marukome.co.jp/customer/faq/)
白カビ?味噌の表面にできる白いモノはなに?
味噌の表面にできる白いカビのようなものは産膜酵母です。産膜酵母は味噌造りにとって大切な酵母と同類のもので、無害です。しかし、味噌の香味は損なわれるため、もし発生していたら、その部分を取り除いて使用しましょう。産膜酵母とは別に、味噌の表面や内部に白い結晶ができることがあります。これは大豆のたんぱく質が分解してできたチロシンというアミノ酸が結晶したものなので、安心して使用しましょう。
参照:ハナマルキ よくあるご質問(https://www.hanamaruki.co.jp/faq.html)
味噌を長持ちさせるコツ
味噌の風味を維持するためにも冷蔵庫での保存がおすすめ
開封後は、表面の乾燥や酸化を防ぐために、購入時に入っているエージレス(脱酸素剤の紙シート)は取り除き、ラップなどで表面を覆い、空気を遮断して保管するようにしましょう。空気に触れると風味が変化しやすい傾向があるため、風味の変化を少なくすることができます。
2.冷蔵庫で保存する
室温で保管しても腐敗等の心配はありませんが、味噌は熟成が進むと変色し、風味も落ちるので、買ってきたら開封前でも冷蔵庫(5~8℃)での保存がおすすめです。
長期間保存する場合は、一般家庭用の冷凍庫(-20℃)に入れても凍らないため、冷凍保存が可能です。その際は、冷凍用の容器等に移し替えてから保管するようにしましょう。
▽参考記事
味噌の基礎知識と活用法
参照:ハナマルキ よくあるご質問(https://www.hanamaruki.co.jp/faq.html)
お家で簡単! 味噌の消費におすすめのレシピ
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冷凍保存もできる! 味噌玉の作り方(出典:味噌玉の作り方!製氷皿で冷凍保存も可)
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■簡単肉料理レシピ! 肉味噌の作り方
簡単肉料理レシピ! 肉味噌の作り方(出典:肉味噌のレシピ!作り置き・保存食にもおすすめ簡単肉料理の作り方)
▽参考記事
安心して味噌を食べるために賞味期限を適切に理解しよう
味噌は大豆イソフラボンやサポニンなど良質なタンパク質が豊富で、さまざまな料理にも使えるのでストックしておきたい調味料の一つ。適切な保存方法や、未開封と開封後の賞味期限の違いなどが理解できていると安心です。その他の食材の賞味期限や消費期限にも気をつけてみると、食品や調味料をうっかり無駄にしてしまった! ということが減らせますね。
監修:管理栄養士 一政 晶子
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