企業のIT活用

「BASE」とは?使い方や料金、決済方法、ネットショップ開設におすすめな理由を紹介。「STORES」との違いは?

コロナ禍で小売業を中心にネットショップ構築へのシフトが起きています。ネットショップ構築を手掛ける制作会社に依頼する方法もありますが、手間をかけずに構築できるBASEというサービスがあります。月額料金はかからず、売れたら課金されるシステムになっています。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

ネットショップ構築サービス BASE(ベイス)

ネットショップ構築サイト BASE

ネットショップ構築サイト BASE

BASEは2012年にサービスをスタートしたインターネットショップ開設サービスです。香取慎吾さん出演のCMをテレビでよく目にするという方も多いのではないでしょうか。楽天市場やYahoo!ショッピングのようなモール出店型ではなく、個店としてネットショップ構築ができるサービスで、最大の特徴は、初期費用や月額料金がかからず、売れた時に課金されるという点にあります。

操作はシンプルで手間をかけずネットショップを作ることができ、コロナ禍で非対面ビジネスへのシフトが起きたこともあって、2021年3月時点でショップ数は140万を超えました。
 

BASEの料金解説。初期費用や月額費用は無料

BASEは初期費用や月額費用がかかりません。費用が発生するのは決済時と振込申請をする時です。決済は銀行振込、カード決済、スマホ決済、コンビニ決済などが使え、一通り揃っています。好きな決済を選ぶことができ、自分でカード会社と交渉して契約する必要はなく、選択するだけで使えます。

決済手数料は、一律3.6%+40円。また別途、注文額と送料の合計額に3%のサービス利用料がかかります。

例えば、3000円(商品代金)+500円(送料)が売れた場合
・決済手数料    3500円✕3.6%+40円=166円
・サービス利用料  3500円✕3%=105円
→ショップが受け取る売上 3500円ー(166円+105円)=3229円

カード決済の場合は上記の金額になりますが、コンビニ決済やスマホ決済を選択するとまた別途、1件あたり300円がかかります。

そして、振込申請(自社の口座に振込してもらう)には振込手数料が一律250円がかかります。また、振込額が2万円未満の場合、事務手数料として500円が必要です。振込申請から10営業日(土日祝日を除く)で振込されます。

全体を通して考えると、10%ほどの手数料が必要という計算になります。
 

BASEでのネットショップ構築手順

BASEでのネットショップ開設で最低限必要な手順は、下記の3点です。

(1)店舗情報登録
ショップ名やショップの概要説明を記載します。ネットショップでは法律によって「特定商取引法に基づく表記」が必要ですので、住所や連絡先、返品の扱いなどを記載します。あわせて、どの決済を使うかを選びます。

(2)商品登録
BASEでの商品登録は簡単にできます。商品管理をクリックして商品名、画像、説明、価格、税率、在庫数を入力すれば完了です。

(3)送料登録
全国一律の送料であれば、店舗情報登録と商品登録をすれば完了ですが、地域ごとに送料を設定するのであれば、「送料設定APP」を追加します。

■BASEのAPP(拡張機能)追加でできること
BASEは基本機能以外に必要なAPP(拡張機能)をインストールすることで機能を増やすことができます。APPは70個以上あり、ほとんどが無料です。

例えば、ページを増やしたい場合は「ページ追加APP」をインストールして増やすなどが可能。他にもクーポン、アクセス解析などいろいろなAPPがあり、なかにはfreeeやマネーフォワードのようなクラウド会計に連携して売上計上できるAPPもあります。

BASEは、はじめはシンプルに作り、必要に応じてAPPを追加し機能を拡充していくという方法で、自分のショップを充実させていけるサービスになっています。

ショップ・デザインはテンプレートが用意されているので、そこから選ぶだけ。これでも十分ですが、凝ったデザインにするにはHTMLの知識が必要となり、こちらはプロに依頼することになります。

集中して行えば1時間ほどでネットショップをオープンできます。
 

BASEはSTORESと何が違うか

ネットショップ構築サイト STORES

ネットショップ構築サイト STORES

BASEとよく似たサービスにSTORESがあります。こちらはアンジャッシュの児嶋さんがCMに出演しています。STORESもBASEと同様に初期費用は必要ありませんが、月額費用はプランによって異なる料金体系になっています。

・STORESスタンダードプラン 決済手数料3.6%+月額2178円
・STORESフリープラン    決済手数料5%(月額費用なし)

売上が月20万円以上なら、スタンダードブランがお得になる計算です。

BASEのような振込依頼は必要なく、各種手数料を差し引いた入金金額が1万円以上の場合、月末締めの翌月末払いで口座に振り込まれます。振り込まれる金額は決済手数料と振込手数料の275円が差し引かれた金額になります。

BASEとSTORESは競争していますからサービス内容や手数料などが、よく変更されます。両方とも初期費用はかかりませんし、メールアドレスだけで登録できますので、実際に確かめてみて自分に合った方を選ぶとよいでしょう。
 

ネットショップを作るだけでは売れない

BASEでネットショップを作っても、すぐに売れるわけではありません。

まず検索してもサイトが出てきません。Google検索では作成したばかりのサイトの評価を低くしており、キーワード検索でサイトが出始めるのは3カ月以上も先になります。

またショッキングなことにユーザーがGoogle検索をする割合自体が50%を切っています。つまり、検索してホームページにたどりつく流れは主流ではありません。Instagram、Twitter、YouTubeなどのSNSで目に留まり、SNSのリンクからホームページにたどり着くのが主流です。SNS検索で目に留まりやすいよう、ハッシュタグなどを利用して宣伝するのがおすすめといえます。

BASEはあくまでも買い物ができる新たな場所として、まず既存顧客にアナウンスし、店が閉まっている時間でも買い物ができることをアピール。次にSNSを活用して店や商品を情報発信し、新規集客につなげるイメージでの使い方がよいでしょう。

リアル店舗を開店してもお客さんはすぐに認知してくれず、駅や通りでチラシを配ったり、ポスティングを行ったりして宣伝活動をするのが普通です。そのように、BASEで開設した店舗もSNSで宣伝活動を行う必要があるのだと考えるとイメージしやすいでしょう。
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