運用面で気をつけていること
「Slack」の大きな機能として「スレッド」があります。チャットのメインの流れから話題が枝分かれした時に、個別に会話を続行する機能です。実は、「Slack」のユーザー機能でもうまく使いこなせていない企業が多く、なんなら「スレッド」を禁止するところもあります。しかし、「スレッド」はメインのチャンネルの流れを止めず、個別の話題を深掘りできるので積極的に活用したいところです。スレッドへの投稿は参加者かメンションを付けられた人にしか通知が行かないので、うるさくもなりません。もし、全員に見てもらいたいなら、チャンネルにも同時投稿するチェックボックスが用意されています。 運用で気をつけているのは、ゾンビチャンネルを増やさないことです。誰でも勝手にチャンネルを作って良いことにしているのですが、活用が進んでいない場合は、無理に使おうとするのではなく、閉じるように促しています。削除ではなくアーカイブすれば、検索はできるので、今まで蓄積した情報は無駄になりません。
「Slack」の導入企業取材で何度も耳にしていたのですが、案の定「@everyone」や「@channel」というメンションを付けて全体発信をする人が出てきました。もちろん、超重要もしくは緊急の案件であれば仕方がないのですが、通常時に使う機能ではありません。ITリテラシーがあれば常識ですが、当然教えてもらったことがなければ分かりません。全体メンションを見かける度に、本当に必要な個人を追加するだけでよいと説明しました。
「Googleカレンダー」や「Zoom」と連携
「Slack」は外部サービスと連携できるのも大きなウリです。現在は、「Googleカレンダー」と連携させてイベントを管理したり、「Zoom」と連携させてビデオ会議を手軽に利用できるようにしています。ただし、スタッフはあまり、外部連携には興味がなさそうです。 コロナ禍で飲食店は致命的なダメージを受けています。月に1~2万円だとしても、可能な限り縮小したいと考えています。原価BARでも解約できるものは一時的にでも解約しています。しかし、「Slack」は無理です。便利かどうかというより、すでにインフラとなってしまっているからです。レスポンスよく密なコミュニケーションを取り、過去の情報も検索して活用できる「Slack」はもう手放せないと言って良いでしょう。BtoBのSaaSとして、1人当たり月額960円というのは安い部類です。ただ、飲食店としては毎月1万円オーバーの固定出費はなかなか勇気のいるチャレンジでした。通話機能も連携機能もない、もう少し安い基本プランがあると嬉しいかな、とも感じています。
まだ、単なる情報共有のためのデジタル化が進んだという段階で、外部サービスと連携させてDXを実現するところまではたどり着けていません。しかし、飲食店といえども、コロナ禍、そしてニューノーマルの時代を見据えると、DX化しないと生き残っていくことは難しいでしょう。DX化が遅れているといわれている飲食業界ですが、頑張ってチャレンジしていきたいと思います。
原価BAR三田本店
https://genkabar.jp/
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